【要注意】ブンブンチョッパーの洗い方！生乾き臭を消す禁断の技

便利すぎて毎日の料理に欠かせないブンブンチョッパーですが、使い終わった後の片付けで「正直、ちょっとめんどくさい」と感じたことはありませんか？

丸洗いしたくても分解して洗えない部分があるため、振ると内部からチャプチャプと水音がしたり、見えない場所でカビが繁殖していないか不安になったりしますよね。

また、湿ったままの紐から漂う独特な臭いに気づき、衛生面で心配になることもあるでしょう。

そこでこの記事では、カビや生乾き臭を防ぐための正しいブンブンチョッパーの洗い方について、私の実体験を交えて詳しく解説します。

水抜きのコツや紐の乾燥方法、さらには日々の手入れをもっと洗いやすい快適なものにするための対策まで、清潔なキッチンを保つためのノウハウをお届けします。

ブンブンチョッパーの洗い方は正直面倒！蓋の食中毒リスク

時短調理の定番アイテムとして人気のブンブンチョッパー。

野菜を放り込んで紐を引くときの「ブンブン」という小気味よい音と振動、そして面倒なみじん切りがあっという間に終わる快感は、一度味わうと手放せませんよね。

しかし、長く使えば使うほど、使っていて気になる点がでてきませんか？ そう、『洗いにくさ』です

「洗剤で洗って乾かしているから大丈夫」と、なんとなく思っていませんか？ そんな方に向けて、ここではあえて厳しめにお話しします。

お伝えしたいのは、主に以下の2点です。

分解できない蓋内部はカビと雑菌の温床になる

多くの手動みじん切り器の蓋は、安全上の理由から複数のネジで固く閉じられており、ユーザーが簡単に分解できない仕様になっています。

これは、内部にある強力なリターンスプリング（バネ）が飛び出し、怪我をする事故を防ぐためのメーカー側の配慮です。

でも、洗うことを考えると、この構造が一番の悩みどころなんですよねとなってしまいます。

見えない「ブラックボックス」の恐怖

私たちがキッチンの流しで、スポンジと洗剤を使ってジャブジャブと洗っている間にも、実は見えないところで水分が侵入しています。

具体的には、紐の出し入れ口（アイレット）や、刃の回転軸（ドライブシャフト）にあるわずかな隙間が入り口です。

そこから汚れた水や洗剤の泡が、内部のギアボックスへと静かに浸透してしまうのです。

「水が入っても、乾かせばいいじゃない」と思うかもしれませんが、問題は「入るのは簡単でも、出るのが極めて難しい」という一方通行のような構造にあります。

外側のプラスチック部分がどれだけピカピカに輝いていても、分解できない内部のギア周辺で黒カビがびっしりと繁殖している可能性があるのです。

もし蓋が透明なスケルトン素材でできていた場合、中身が見えてしまいます。それを見たら、もう使いたくなくなるかもしれません。

「垂れてくる水」のリスク

さらに恐ろしいのは、次に使うときです。

ハンドルを勢いよく引く振動や遠心力によって、内部に溜まっていたカビの胞子や雑菌を含んだ水滴が、軸の隙間から食材の上に「ポタリ」と落ちるリスクがあります。

美味しい料理を作りたいという気持ちに水を差されるようで、とても悲しいですよね。しかし、これが手動式ゆえの衛生的な難点でもあります。

食洗機非対応モデルで「肉」を刻む際の衛生リスク

ハンバーグや鶏つくね、餃子のタネを作るとき、お肉をブンブンチョッパーでミンチにしていませんか？

もしお使いのモデルが食洗機非対応（多くの標準的な安価モデルがそうです）なら、今すぐその使い方は見直した方がいいかもしれません。

これは単なる推奨ではなく、家族の健康を守り、食事を心から楽しむための重要なポイントです。

カンピロバクター等の食中毒リスク

生の鶏肉や豚肉には、カンピロバクターやサルモネラ菌といった、重篤な食中毒を引き起こす原因菌が付着していることも珍しくありません。

これらの菌を安全に処理するためには、調理器具に対して75℃以上で1分以上の加熱、あるいは塩素系漂白剤による徹底的な殺菌・消毒が必要です。

出典：厚生労働省『食中毒』

低温プラスチックの限界

しかし、標準的なブンブンチョッパーに使われているPS樹脂（ポリスチレン）やABS樹脂などのプラスチックは、熱に弱い性質を持っています。

製品のパッケージや底面の品質表示を確認してみてください。「耐熱温度：70℃」と記載されていることが多いはずです。（参考：ぶんぶんチョッパー公式サイト「icokka」）

一方で、食洗機の高温洗浄は60℃〜80℃、乾燥工程の熱風はそれ以上の温度になる場合があります。

つまり、仕様上の限界を超えてしまうのです。これにより変形して蓋が閉まらなくなったり、容器に細かいクラック（ひび割れ）が入ったりします。

紐が乾かない生乾き臭は「内部汚染」の危険信号

洗った後、紐を少し引っ張り出してみて、鼻を近づけてみてください。「なんとなく雑巾のような臭いがする」「酸っぱいような異臭がする」と感じたことはありませんか？

それは、ただの生乾きの臭いではありません。あなたの鼻が感じているのは、内部で雑菌が増えているという、もしかすると危険なサインかもしれません。

繊維の深部に根を張るカビ

手動みじん切り器の牽引ロープ（紐）は、耐久性を持たせるためにナイロンやポリエステルなどの化学繊維を編み込んで作られています。

これらは非常に丈夫ですが、繊維製品である以上、毛細管現象によって水分を吸い上げやすく、一度濡れると中心部までなかなか乾きません。

一度繊維の奥まで黒カビが入り込んでしまうと、表面をアルコールで拭いた程度では落ちません。

そのカビだらけの紐を手で持ち、その手で食材を触ったり、盛り付けをしたりすることになります。

これでは、どんなに手洗いを徹底していても、触覚的にも生理的にも、衛生的な調理とは程遠い状態になってしまいます。

また、湿った状態が続くと繊維自体が劣化し、ある日調理中に「ブチッ」と紐が切れる原因にもなります。

生乾き臭は、衛生面だけでなく、道具の寿命が近づいていることを告げるアラートなのです。

ハイターや煮沸消毒でもギア内部の完全除菌は困難

「菌が心配なら、キッチンハイター（塩素系漂白剤）に漬け込めばいいのでは？」と考える方も多いでしょう。

たしかに漂白剤は強力な除菌力を持ちますが、この製品に関しては諸刃の剣となります。

薬剤の残留と金属腐食

まず、分解できない蓋を漂白剤液に浸け置き（ドブ漬け）すると、内部にたっぷりと薬剤が浸入します。

問題はすすぎの工程です。流水で流したとしても、内部の複雑なギアボックスに入り込んだ漂白剤成分を完全に洗い流すことは至難の業です。

もし内部に漂白剤が残留していれば、次に使用する際に食材に混入するリスクがあります。

さらに致命的なのが「錆（サビ）」の問題です。内部にはスプリングやネジ、シャフトの一部など金属部品が使われています。

煮沸消毒のリスク

では「煮沸消毒」はどうでしょうか。これも多くのモデルで非推奨です。

先述の通り、プラスチックの耐熱温度を超えて変形してしまうリスクがあります。

グリスが流れ出ると、ハンドルが重くなったり、異音がしたり、最悪の場合は摩擦熱で内部パーツが溶着して動かなるかもしれません。

つまり、一般的な「除菌メソッド」が、この製品には通用しにくいのです。

蓋の水抜きを怠ると錆や故障の直接原因になる

衛生面だけでなく、道具としての寿命も縮めます。蓋を振って「チャプチャプ」と水音がする場合、内部にかなりの水が溜まっています。

この音を聞いて「まあいいか」と放置することは、製品の寿命を縮める行為と同じです。

錆による固着トラブル

この残留水分は、回転を生み出す重要なバネや、ギアの金属シャフト部分を確実に錆びさせます。

ある日突然「紐を引いても戻らなくなった」「ハンドルが固くてビクともしない」という故障が起きるのは、多くの場合、内部で進行した錆による固着が原因です。

また、内部の水は時間の経過とともに腐敗し、ヘドロ状の汚れとなってギアの動きを阻害します。

「洗ったら水切りカゴに置いておけば勝手に乾く」というのは、お皿やコップには通用しても、この複雑な機械仕掛けの道具に関しては通用しないと思った方が良いでしょう。

では、構造的に抜けにくい水を、具体的にどうやって追い出せばよいのでしょうか。

次章では、リスクを承知で清潔さを追求したい方のための、とっておきの秘策をお伝えします。

それでもやる？ブンブンチョッパーの洗い方最終奥義

ここまで、構造上の欠陥とも言える怖い話ばかりしてしまいました。

私も最初はそうでしたし、野菜専用として割り切ればこれほど便利なものはありません。

ここからは、どうしてもきれいに保ちたい方へ、私が実践している『徹底的な洗浄・乾燥術』をご紹介します。

遠心力を使って水没した蓋の水分を飛ばす裏技

蓋の中に水が入ってしまった場合、表面張力によって狭い隙間に水滴がしつこく留まるため、自然乾燥で抜けることはほとんどありません。

これを排出するには、重力以上の物理的な力、つまり「遠心力」を利用して無理やり水を追い出す必要があります。

具体的な方法は以下の2つです。

1. 手動スイング法（ブンブン振り回し術）

最も原始的ですが、体を使って確実に水を追い出す方法です。

2. 高速回転法（推奨・ブンブン脱水）

製品の機構そのものを利用した、よりスマートな方法です。

これを、水滴が飛び出てこなくなるまで繰り返します。「もう出ないかな？」と思ってから、さらに10回行うくらいが丁度いいです。

この工程を経るだけで、乾燥時間は驚くほど早く乾燥され、あの不快な「チャプチャプ音」も消え去ります。

紐をクリップで固定して干す完全乾燥の手順

紐（コード）のカビや生乾き臭を防ぐには、「紐をすべて引き出した状態で、空気に触れさせて乾かす」以外に方法はありません。

しかし、手で数時間持ち続けるわけにはいきませんよね。そこで使うのが、どこの家庭にもある「洗濯バサミ」や「クリップ」です。

内部の湿気対策という「見えない敵」への対処とあわせて、多くのユーザーを悩ませるのが、洗剤では落ちない「容器の着色汚れ」や「臭い」です。

実はこれらも、特別な洗剤を使わず、キッチンにある身近なアイテムだけで驚くほど簡単にリセットできます。

重曹とサラダ油で頑固な色移りと臭いを撃退

ニンジンやカボチャをみじん切りにすると、容器や蓋の白いプラスチック部分が鮮やかなオレンジ色に染まってしまうことがありますよね。

あれは食材に含まれる「β-カロテン」などの色素が、プラスチックの表面に物理的に吸着している状態です。この色素は脂溶性、つまり「油に溶ける」性質があります。

洗剤でいくらゴシゴシこすっても落ちないときは、以下の科学的アプローチを試してみてください。

色移りには「サラダ油」で迎え撃つ

「油汚れは油で制す」が鉄則です。

臭いには「重曹」の中和作用

ニンニクや玉ねぎの強烈な硫黄系の臭いが取れないときは、重曹（炭酸水素ナトリウム）の出番です。

手間と衛生面を考えれば電動への買い替えも正解

ここまで、徹底的な洗浄と乾燥の方法をお伝えしてきましたが、読んでいて「正直、毎回そこまでするのは面倒くさい……」と感じた方も多いのではないでしょうか。

私自身、ブンブンチョッパーの手軽さは大好きですが、この「洗いにくさ」という一点においては、構造的に優れた電動フードプロセッサーに軍配が上がると認めざるを得ません。

例えば、人気のあるレコルトの「ボンヌ」などのコンパクトな電動モデルは、実は食洗機が使えないものも多いです。「えっ、それじゃあ手間は変わらないんじゃ？」と思われるかもしれません。

しかし、決定的な違いがあります。それは「洗ってはいけないブラックボックス（空洞）」が存在しないということです。

電動ならではの構造的メリット

電動フードプロセッサーは、「動力を生み出すモーター本体」と「食材を入れるカップ・蓋・刃」が完全に分離しています。

つまり、私たちが洗うパーツは、単純な形をしたプラスチックやガラスの容器だけ。「水が入って抜けないギアボックス」もなければ、「乾かない紐」も存在しません。

たとえ手洗いであっても、洗剤で裏表ジャブジャブと豪快に洗い、布巾でサッと拭けばそれでおしまい。

「中に水が入ったかも…」と耳を澄ませて振る必要も、クリップで紐を干す手間も一切ありません。

肉料理は電動で！ブンブンチョッパーの洗い方の悩みから卒業する選択

結論として、今お持ちのブンブンチョッパーを使い続けるなら、以下のルールを徹底することをおすすめします。

しかし、もしハンバーグや餃子などの「お肉料理」や、離乳食づくりにもフル活用したいと考えているなら、少し立ち止まってみてください。

水分や油分を多く含む食材を頻繁に扱うのであれば、それは今の道具からの「卒業のタイミング」かもしれません。

「洗う手間」や「乾かす苦労」といったストレスは、そのまま「家族の安全」に直結します。

むしろ、構造的に清潔を保ちやすい電動チョッパーを選んでみてはいかがでしょうか。その選択こそが、結果的に一番安全で賢い時短になるはずです

五感が喜ぶ清潔で快適なキッチンライフを、ぜひ選んでみてください。