お店で「26cm」というサイズ表記のフライパンを見かけても、いざ自宅のフライパンを定規で測ってみると、表示されているサイズと一致しないことがあります。
こうした経験から、正しい測り方がわからず購入を迷われる方も多いのではないでしょうか。
せっかく新しく買い替えても手持ちの蓋が合わなかったり、いざ調理を始めたら思ったよりも小さくて困ったりと、できればそのような失敗は避けたいものです。
さらに、一人暮らしや家族向けの最適な選び方や、標準的なサイズといった基礎知識に加え、ニトリやティファールなどの人気ブランドの製品を一覧で比較しました。
つまり、本記事では、あなたが自信を持って選べる一枚のための情報を、わかりやすくまとめています。
- フライパンの正しいサイズの測り方がわかります
- 一人暮らしや家族の人数に合った最適なサイズを選べます
- ニトリやティファールなど人気ブランドの特徴を比較できます
- フライパンや蓋選びで失敗しないコツを理解できます
フライパンのサイズ!正しい測り方を極める

この章では、なぜ「表示されている大きさ」と「実際の大きさ」とで違いが生じるのか、その根本的な理由からご説明します
さらに、その知識を日々の道具選びに役立てるための具体的なポイントについても、順を追って紹介します。
この章のポイントを押さえていただくだけで、サイズについての疑問がすっきり解消し、自信を持って最適な一枚を選べるようになるはずです。
- 正しい測り方の基本は「内側の直径」
- 知っておきたい内径・外径・底面の違い
- 計測ミスのよくある原因
- メーカーで違う?サイズ表記の注意点
- 基準となる標準の大きさは何cm?
- ぴったり合う蓋を選ぶためのポイント
正しい測り方の基本は「内側の直径」

フライパンを選ぶ際に最も大切なのは、製品に記載された「26cm」などのサイズが、フライパンの上部内側の縁から反対側の縁までの直径、つまり「内径」を指していることを理解することです。
この内径は、とくに蓋などの調理器具との互換性を保つために業界の標準となっているため、この点を知っておくと、フライパンを選ぶ上で役立ちます。
たとえば、蒸し料理や煮込み料理には、フライパンの内径にぴったり合った蓋が欠かせません。そのため、フライパンの内径が最も実用的な基準とされています。
サイズの黄金律:測るべきは「上部の内径」
フライパンの公式なサイズは、常に上部開口部の内側から内側までの直線を測ります。
これにより、どのブランドの製品であっても同じ基準でサイズを比較し、適合する蓋を選べます。
ご家庭で正確に計測する場合は、まずフライパンを平らなテーブルの上に置いて安定さてください。
また、布製などの柔らかいメジャーではなく、金属製の定規など直線の測定器を使いましょう。
定規をフライパンの一番広い部分に渡し、真上から内側の縁から反対側の内側の縁までの長さを測ってください。その数値がフライパンのサイズです。
知っておきたい内径・外径・底面の違い

「手持ちの26cmフライパンを測ったらサイズが違った」という経験がある方の多くは、測る場所を間違えていることが原因です。
フライパンには主に3つの異なる直径があり、それぞれに役割があります。
内径(公式サイズ)
前述の通り、フライパン上部の内側から内側までの直径です。製品ラベルに記載されているのは、ほぼこの数値です。蓋のサイズを決定する上で最も重要な寸法となります。
外径(物理的な大きさ)
フライパンの外側の縁から反対側の外側の縁までの直径です。これは内径よりも常に1cmから2cmほど大きくなります。
この数値は、調理機能ではなく、キッチンの棚や引き出しに収納する際のスペースを考える上で重要になります。
底面の直径(調理面・IH接地面)
食材が直接触れる底の平らな部分の直径を指します。側面が傾いているため、内径よりもだいぶ小さくなってるのが特徴です。
この直径は、実際に一度に焼けるハンバーグの数など、調理可能な面積の目安となります。
また、IHクッキングヒーターを使う場合は、この底面がヒーターユニットに接触する必要があるため、IH対応を確認する上で欠かせない情報です。
計測ミスのよくある原因

外径や底面を測ってしまうために、「サイズが合わない」と感じてしまうことがよくあります。
ラベルに表示されているサイズと一致させたい場合は、必ず「上部の内径」を測るようにしましょう。
私たちが直感的に捉える「大きさ」は、多くの場合フライパンの外径や、食材を置くための底面を指します。一方、メーカーが基準としているのは内径です。
この「体感としての大きさ」と「機能上の基準」との間にギャップがあるため、混乱が生じやすくなっています。
メーカーで違う?サイズ表記の注意点

フライパンのサイズ表記は「内径」が業界の標準になっていますが、法的に統一された規格が決まっているわけではありません。
そのため、ごく一部のメーカーや海外の特殊な製品では、内径以外の基準でサイズを表記している場合もあるようです。
もしご自身で内径を正確に測ったのに、製品の表示と大きく異なる場合は、いくつかの理由が考えられます。
たとえば、デザインを重視した製品では、外径を基準にサイズを表示していることがあります。一方で、一般的には内径を基準に選んでいただいても、ほとんどの場合問題はありません。
ただし、どうしてもサイズが合わなくて不安な場合は、購入を検討しているメーカーの公式サイトで製品仕様を確認するのが最も確実です。
また、古いフライパンや刻印のないノーブランド品などのサイズを知りたい場合も、まずは内径を測りましょう。
もし定規がなければ、サイズがわかっている他の鍋の蓋を合わせてみるのも有効な方法です。たとえば、26cmの蓋がぴったりはまれば、そのフライパンは26cmであると判断できます。
基準となる標準の大きさは何cm?

市場にはさまざまなサイズのフライパンがありますが、家庭用として最も一般的で「標準サイズ」とされるのは24cmと26cmです。
とくに26cmは最も人気が高く、出荷量も多いサイズで、多くの家庭で主力として活躍しています。
26cmというサイズは、汎用性が高くバランスが取れているのが魅力です。2人から4人用の家族に最適で、3~4人分の炒め物やスクランブルエッグも十分に作れます。
大きすぎず重すぎないため、調理時に扱いやすく、家庭のコンロや収納にもすっきり収まるでしょう。
サイズごとの調理人数の目安は、以下の表を参考にしてください。
調理人数の目安 | ||
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サイズ | 主な用途・調理人数 | 調理例 |
20cm以下 |
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22cm〜24cm |
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26cm(標準) |
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28cm以上 |
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初めてフライパンを購入する方や、1つだけ選ぶのに迷った場合は、まず26cmを選ぶのが無難です。
その後、ご自身の料理スタイルに合わせて、サブ用途に小さいサイズや、作り置き用に大きいサイズを追加するのがおすすめです。

ぴったり合う蓋を選ぶためのポイント

フライパンの蓋を選ぶ際の原則は、内径と同じサイズの蓋を選ぶということです。たとえば、内径24cmのフライパンには24cmと表記された蓋が必要です。
ただし、注意点もあります。前述の通り、内径という基準は業界標準ですが、ブランドによってフライパンの縁の厚みやカーブの角度が微妙に異なります。
このため、A社の26cmフライパンに、B社の26cmの蓋を合わせた際に、完璧にフィットせず少しガタついてしまう可能性も考えられるでしょう。
もちろん、同じメーカーの専用蓋を選ぶのが最も安心です。
ただし、複数のフライパンを持っている場合、それぞれに専用の蓋を用意すると収納スペースがかさばり、あまり効率的ではありません。
便利な「マルチサイズ蓋(フリーサイズ蓋)」という選択肢
複数のフライパンをお持ちの場合には、「マルチサイズ蓋」が非常に便利です。
縁に段差やシリコンが付いているため、24cm・26cm・28cmといった、一定の範囲内のさまざまなサイズのフライパンに、1つの蓋で対応できます。
収納スペースを節約でき、コストパフォーマンスも高く、多くの人から人気を集めているアイテムです。ただし、専用の蓋と比べると、密閉性がやや劣る場合があります。
また、蓋を選ぶ際は、サイズだけでなく機能性にも注目しましょう。
吹きこぼれを防ぐための蒸気穴、調理中に立てて置ける自立式ハンドル、中身が見えるガラス窓といった便利な機能が付いている製品も多くあります。
ご自身の調理スタイルに合った、使いやすい蓋を選んでみてください。

フライパンのサイズ!測り方の次は選び方

この章では、暮らしのスタイルやご家庭の調理設備、さらには市場で支持される製品の傾向まで、多角的な視点から最適な一枚を見つけるためのヒントを紹介します。
ここで得られる知識は、単なる道具選びを超え、あなたの毎日の料理をより豊かに、そして快適にしてくれるはずです。
- 一人暮らし・家族でのフライパンの選び方
- 調理が快適になる「2台持ち」のすすめ
- IH・ガス火で注意すべき大きさの違い
- 人気のフライパン!おすすめモデルを紹介
- ニトリ・ティファールの商品を一覧で比較
- 失敗しない!フライパンの選び方・測り方まとめ
一人暮らし・家族でのフライパンの選び方

正しい測り方がわかったら、次はご自身のライフスタイルに最適な一枚を見つけましょう。調理する人数や作る料理によって、ベストな大きさは大きく異なります。
一人暮らしや単身世帯の方におすすめのフライパンは、20cmまたは22cmサイズです。
一人分の食事を作るのにぴったりのサイズで、軽くて熱効率もよく、洗いやすいのもポイントです。
自炊の頻度が低い方はコンパクトな20cm、日常的に料理をする場合はやや大きめの24cmを選ぶと、友人を招いたときにも対応しやすくなり、より柔軟に活用できます。
カップルや少人数家族(2~3人)には、26cmが最適なサイズでしょう。標準とされるだけあって、2~3人分の食事を作るのにちょうど良い大きさです。
チャーハンからシチューまで幅広く使える深型の26cmフライパンが1つあると、非常に便利です。もしキッチンスペースが限られている場合は、24cmでも十分に対応できます。
4人以上の家族で使うなら、28cmや30cmのフライパンが活躍します。大人数分の食事を一度に調理しやすく、使い勝手が良いのが特徴です。
広い調理面は、複数枚の肉や魚にしっかり焼き目をつけたり、大量の野菜をいためたりするのに役立ちます。
ただし、30cm以上の大きなフライパンを購入する前には、自宅のコンロで最も大きいバーナーのサイズや、収納場所の寸法を測り、物理的に収まるかを確認することをお勧めします。
調理が快適になる「2台持ち」のすすめ

「フライパンは1つあれば十分」と考える方も多いかもしれません。
しかし、料理をより効率的かつ快適に楽しみたい場合は、用途に応じて2種類のサイズのフライパンを使い分ける「2台持ち」をおすすめします。
おすすめの組み合わせは、夕食のメインディッシュを作るのに適した大きめの「メインフライパン(26cmまたは28cm)」と、朝食や副菜、または少量の調理に便利な小さめの「ユーティリティフライパン(20cm)」です。
本章では、「2台持ち」がもたらす3つのメリットをみていきます。
効率性アップ
目玉焼き1個や少量のソース作りに小さなフライパンを使うことで、予熱時間が短縮され、エネルギーを節約できます。
洗浄の手間も格段に減ります。
柔軟な調理
2つのコンロを同時に使い、メインディッシュと副菜を並行して調理することが可能になり、調理全体の時短に繋がります。
製品寿命の延長
日々のちょっとした調理で大型フライパンを使い続けると、余計な加熱や摩耗が生じやすくなります。
「2台持ち」をすることで、大型フライパンを長持ちさせられるのです。
IH・ガス火で注意すべき大きさの違い

フライパンを選ぶ際には、ご家庭の熱源がIHかガス火かという点も考慮に入れる必要があります。とくに、大きさの考え方において注意点が異なります。
IHクッキングヒーターの場合
IHは磁力で鍋底を直接加熱する仕組みのため、フライパンの「底面の大きさ」が非常に重要になります。
ヒーターの加熱範囲に対して底面が小さすぎるとセンサーが反応しなかったり、逆に大きすぎると加熱ムラができたりします。
購入前には、フライパンの「内径」だけでなく、「底面の直径」が自宅のIHヒーターに対応しているかを必ず確認しましょう。
ガス火の場合
一方、ガス火は炎で広範囲を加熱するため、底面の大きさに多少の誤差があっても比較的使いやすいというメリットがあります。
五徳の上に安定して乗る大きさであれば、あまり神経質になる必要はありません。
ただし、コンロに対してフライパンが大きすぎると、炎がはみ出て危険な場合や、隣のコンロに干渉することもあるため、キッチンのスペースを考慮して選ぶことが大切です。
IHユーザーは「底面直径」の確認を忘れずに!
ガス火からIHに引っ越した場合など、これまで使っていたフライパンがうまく機能しないことがあります。
その原因の多くは、底面のサイズや材質がIHに対応していないことです。IH対応と明記されている製品を選ぶのはもちろん、底面の直径も仕様書で確認すると安心でしょう。

人気のフライパン!おすすめモデルを紹介

多くの人に選ばれる人気のフライパンには、サイズ以外にも共通する魅力的な特徴があります。
ここでは、製品選びの際にチェックしたいポイントをいくつかご紹介します。
コーティングの耐久性
フライパンを使うと、食材がスムーズに滑るものもあれば、すぐにこびりついてしまうものもあります。
このような「こびりつきにくさ」を実現しているのが「ノンスティック加工」です。
これはフッ素樹脂などで表面をコーティングする技術のことで、少ない油でヘルシーに調理でき、使用後の洗浄が簡単になるというメリットがあります。
この便利なノンスティック加工は今や当たり前の機能ですが、その耐久性は製品によって大きく異なります。
たとえば、ダイヤモンドコートやチタンコートなど、粒子を混ぜることで耐久性を高めたコーティングは従来のものより傷に強く、長持ちするため人気です。
ティファール社の製品に見られる「お知らせマーク」のように、予熱完了を教えてくれる機能も、コーティングを長持ちさせるのに役立ちます。(参照:ティファール公式サイト)
軽さと扱いやすさ
特に炒め物などでフライパンを振る機会が多い方にとって、本体の重量は重要な選定基準です。
近年では、貝印の「軽いフライパン」シリーズのように、力に自信がない方でも扱いやすい軽さを追求した製品が登場しています。(参照:貝印公式サイト)
特殊なフッ素樹脂加工によってフライパンの軽量化を実現しており、そのため毎日の調理の負担が軽減される点が魅力です。
また、取っ手を短めに設計することで収納しやすくするなどの工夫が凝らされているモデルも、人気を集めています。
収納のしやすさ(取っ手が外せるタイプ)
キッチンの収納スペースが限られている場合に絶大な人気を誇るのが、取っ手が着脱できるタイプのフライパンです。
代表的なティファール以外にも、さまざまなメーカーから魅力的な製品が登場しています。
たとえば、アイリスオーヤマの「ダイヤモンドコートパン」シリーズは、価格と機能性のバランスに優れ、多くの方に支持されています。(参照:アイリスオーヤマ公式サイト)
ダイヤモンドコーティングによる高い耐久性とこびりつきにくさを備えながら、取っ手を外してフライパンや鍋をすっきりと重ねて収納できるのが特徴です。
そのままオーブン調理に使えたり、調理後に取っ手を外してお皿のように食卓に並べられたりと、多機能に使える点も大きな魅力です。
ニトリ・ティファールの商品を一覧で比較

フライパン選びで必ずと言っていいほど候補に挙がる2大ブランドが、「ニトリ」と「ティファール」です。
それぞれに異なる強みと特徴があり、どちらが良いかは個人の価値観やライフスタイルによって異なります。
ここでは、両者の特徴をわかりやすく比較してみましょう。
ニトリとティファールの比較 | ||
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比較項目 | ニトリ | ティファール |
コンセプト |
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主なシリーズ |
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特徴的な技術 |
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価格帯 |
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こんな人におすすめ |
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一言でまとめると、ニトリは「価値と多様性」を、ティファールは「技術と専門性」を強みに市場で展開しています。
どちらも幅広いサイズ展開をしているため、ご自身の予算や重視するポイント(価格、軽さ、耐久性など)を明確にした上で選ぶと、きっと満足のいく一枚が見つかります。

失敗しない!フライパンの選び方・測り方まとめ

この記事では、フライパンのサイズの基準となる「内径」の正しい測り方から、一人暮らしや家族構成、ご家庭の熱源に合わせた最適な選び方までを詳しく解説しました。
正しい知識があれば、もうフライパン選びで失敗することはありません。
まずは、この記事を参考にご自宅のコンロの大きさや収納スペースを確認し、あなたに必要なサイズを明確にしてみましょう。
最後に、最適な一枚を選ぶために知っておきたいポイントをまとめます。
- フライパンのサイズは、上部の内径が基準です
- 正確に測るには、硬い定規を使い、真上から内側の端から端までを測りましょう
- 外径は収納スペース、底面の直径は調理面積やIH対応を考えるときの目安になります
- 家庭用の標準サイズは24cmと26cmです
- 26cmは2~4人家族に使いやすい万能サイズです
- 一人暮らしには20cmや22cmが扱いやすい大きさです
- 4人以上の家族や作り置きには28cm以上が便利です
- 蓋はフライパンの内径と同じサイズを選ぶのが基本です
- 複数のサイズに対応する「マルチサイズ蓋」もあります
- 調理効率を上げるなら2台持ちもおすすめです
- IHコンロの場合、底面直径がヒーターサイズに合っているか確認しましょう