キッチンの片隅にある、長年愛用してきた一枚のまな板。
長年使い続けて手にしっくりとなじんでいるものの、無数の包丁傷や隅の黒ずみが目立ち「そろそろ寿命かな…」と、寂しく感じたことはありませんか。
捨てるには忍びないけれど、衛生面を考えるとこのまま使い続けるのも少し不安。もし、その大切なまな板が新品同様に生まれ変わるとしたら、嬉しいですよね。
そんな選択肢が「まな板の削り直し」です。とくに、身近なホームセンターで手軽にできたら、と考えた方も多いのではないでしょうか。
ただ、実際にどこで頼めるのか、料金はいくらかかるのか、そもそもプラスチック製のまな板はできるのか…。
この記事では、カインズやビバホーム、ロイヤルホームセンターの対応状況から、ダイソーの道具を使って自分でできるのかという疑問まで、一つひとつ丁寧にお答えします。
正しいお手入れの知識や、削り直しを前提としたおすすめのまな板もご紹介。
あなたの愛着ある調理の相棒を、これからも長く大切に使い続けるための最適な方法がきっと見つかります。
- ホームセンターでの削り直しサービスの有無と料金の目安
- 専門業者に依頼するメリットと知っておくべき注意点
- ダイソーの道具を使った手軽なセルフメンテナンス方法
- まな板の寿命と買い替えの適切なタイミング
【まな板の削り直し】ホームセンターでの依頼ガイド

ここでは、まず身近なホームセンターでの対応状況から、より専門的な依頼先の選択肢までを幅広く整理します。
それぞれの料金の目安や、お持ちのまな板の材質による可否、そしてプロに任せるからこそ知っておきたい利点や注意点を一つひとつ見ていきましょう。
情報を整理することで、ご自身のまな板にとって最適な依頼先が明確になり、納得のいく形で大切な道具を蘇らせることができるはずです。
- カインズ・ビバホーム・ロイヤルホームセンターのサービス
- 削り直しはどこで頼めるのか?
- 業者に依頼した場合の料金はいくら?
- プラスチック製のまな板はできる?
- プロに依頼するメリットと注意点
カインズ・ビバホーム・ロイヤルホームセンターのサービス

大手ホームセンターのまな板削り直しサービスは、全店共通のサービスとして提供されているわけではなく、店舗によって対応が大きく異なります。
一部の店舗では木材加工サービスの一環として受け付けている場合がありますが、公式サイトで大々的に宣伝されていることは稀です。
これは、まな板の材質や状態が多岐にわたり、専門的な判断が必要になるためと考えられます。
たとえば、スーパービバホームの一部店舗では、数百円程度という非常に手頃な価格で削り直しサービスを提供しているという情報があります。
一方で、カインズやロイヤルホームセンターなど他の大手チェーンでは、公式サービスとしては行っていない場合が多いようです。
最も確実な方法は、訪問前に最寄りの店舗の木材カットサービスなどの担当窓口へ、直接電話で問い合わせることです。
「持ち込みでのまな板の削り直しは可能ですか?」と具体的に聞いてみましょう。
店舗によっては、併設されている工房の職人が個別に相談に応じてくれる場合もあります。諦める前に、まずは一度問い合わせてみることをおすすめします。
削り直しはどこで頼めるのか?

まな板の削り直しをプロに依頼する場合、選択肢は主に「一部のホームセンター」と「専門の木工工房やメーカー」の2つです。
前述の通り、ホームセンターは対応している店舗が限られますが、近所にあれば持ち込みですぐに対応してもらえる手軽さが最大の魅力です。
一方、より高品質な仕上がりを求めるなら、郵送でサービスを提供する専門業者がおすすめです。
まな板を専門に扱っているため、木の特性を理解した上で最適な方法で作業してくれます。料金は高めになりますが、大切な一枚を蘇らせたい場合には最適な選択肢といえます。
業者に依頼した場合の料金はいくら?

プロに削り直しを依頼する場合の料金は、依頼先やまな板のサイズ、状態によって変動します。
ホームセンターで対応している場合、比較的安価な傾向にあり、片面の削り直しで600円~1,500円程度が目安です。待ち時間が短く、気軽に頼めるのが利点と言えるでしょう。
専門業者に依頼する場合、料金は少し上がります。家庭用の一般的なサイズのまな板であれば、2,000円~4,000円程度が相場です。
これに加えて、ほとんどの場合で自宅から工房までの往復送料が自己負担となります。
料金は高くなりますが、その分、深い傷や反りまで修正してくれるなど、仕上がりの質は確かなものです。
業者によっては、作業完了までの期間が2~3週間かかることもあります。その間使う代替のまな板が必要になる点も考慮しておきましょう。
業者名 | 特徴 | 料金目安 |
---|---|---|
杉本木工々房 |
|
1枚:2,380円(返送料込)~ |
ヒバラボ |
|
要問い合わせ |
まな板の匠 |
|
1,400円~ |
専門業者の多くは全国から郵送で受け付けています。納期や往復の送料も考慮して、自分に合ったサービスを探してみてください。
単純な価格だけでなく、品質・時間・送料といった要素を総合的に考えて、どこに依頼するかを判断することが大切です。
プラスチック製のまな板はできる?

プラスチック製のまな板は、削り直し自体は可能ですが、衛生面や環境面に悪影響を与えるため、一般的にはおすすめされていません。
最大の問題点は、表面を削る際に、目に見えない微細なプラスチックの破片、すなわち「マイクロプラスチック」が大量に発生することです。
道具を長く使い、ごみを減らすという環境に優しいつもりの行動が、結果的にはかえって環境に負担をかけてしまうことも考えられます。
削り出しによって発生したマイクロプラスチックは、洗い流す際に排水とともに環境中に流出してしまうことが懸念されています。(参照:政府広報オンライン)
また、削った表面がザラザラになり、かえって雑菌が繁殖しやすくなるという衛生上のデメリットも指摘されています。
そのため、プラスチック製のまな板は削り直して使い続けるより、普段から丁寧に手入れをして清潔に保ち、傷や汚れが目立つようになったら新しいものに買い替えるのが、現実的でおすすめの使い方です。
反りが気になる場合は、熱湯をかけて重しを乗せることで修正できる場合があります。
さらに、衛生面で言えば、木製のまな板と違ってプラスチック製のまな板は塩素系漂白剤を使えるのも利点です。定期的に除菌を行うことで、より清潔に保つことができます。

プロに依頼するメリットと注意点

専門家であるプロにまな板の削り直しを依頼することには、大きなメリットがある一方で、いくつか知っておくべき注意点も存在します。
メリット
最大のメリットは、新品同様の美しい仕上がりになることです。自分で行うDIYでは難しい、完全に均一で滑らかな表面が蘇ります。
長年の使用でできた深い包丁の傷や頑固な黒ずみ、中央のへこみや全体の反りまで、専門的な機械と技術でしっかりと修正してもらえる点は、プロならではの価値と言えるでしょう。
注意点
一方で、注意すべきは「まな板の厚み」です。深刻な傷や反りを修正するために表面を大きく削り込むと、想像していたよりもまな板が薄くなってしまうことがあります。
薄くなったまな板は安定感を失い、調理中に滑りやすくなる危険性もでてきます。
これを避けるため、依頼する前に「どのくらいの厚みが削られる可能性があるか」を業者に確認し、相談してください。
多くの専門業者は、安全性の観点から、厚みが1.5cm~2cmを下回るまな板の削り直しは受け付けない場合があります。依頼前に、ご自身のまな板の厚さを測っておきましょう。
ホームセンター以外も!自分でできるまな板の削り直し

プロに頼むほどではないけれど、表面の汚れや浅い傷が気になる…という場合には、自分でメンテナンスする方法もあります。
ここでは、手軽に試せる方法から、まな板を長持ちさせるための知識まで幅広く紹介します。
- ダイソーの道具で自分で削る方法
- 日々のお手入れで長持ちさせるコツ
- まな板の寿命はどれくらい?買い替えの判断基準
- おすすめのまな板
ダイソーの道具で自分で削る方法

最も手軽なDIYとして、100円ショップのダイソーで販売されている「まな板削り」を使用する方法があります。
これは、発泡ポリエチレンのブロックに研磨剤が塗布された製品で、木製とプラスチック製の両方に対応しています。
使い方は非常にシンプルです。まな板全体と「まな板削り」の研磨面を水で濡らし、洗剤は使わずに力を入れてこするだけ。
削れてきた木やプラスチックのカスを、時々水で洗い流しながら作業を進めます。この製品は、手軽さと低コストが魅力ですが、その効果には限界があります。
軽い表面の黒ずみを落とし、手触りを滑らかにする効果は期待できますが、深く刻まれた包丁の傷を消すほどの研磨力はありません。
また、満足のいく結果を得るにはかなりの時間と労力が必要で「10分こすり続けたら腕がパンパンになった」という声も聞かれます。
注意点として、材質によっては逆効果になるケースもあります。
- プラスチックまな板の場合
表面にエンボス加工(凹凸加工)が施されたタイプに使用すると、その加工を削り取ってしまい、かえって汚れが付着しやすくなるなど逆効果になる可能性があります。 - 木製まな板の場合
木の種類によっては表面が毛羽立つことがあります。その場合は、仕上げに目の細かいサンドペーパー(300番程度)で優しく整える必要があります。
日々のお手入れで長持ちさせるコツ

削り直しや買い替えの頻度を減らすためには、日々の正しいお手入れが欠かせません。少しの心がけで、まな板は清潔に長く使うことができます。
使う前の一手間:水で濡らす
とくに木製のまな板は、使う前に必ず全体を水で濡らし、軽く布巾で拭いてから使用してください。
水で濡らすことで木の表面に水の膜ができ、食材の匂いや色、油分が染み込みにくくなります。
使用後のお手入れ:すぐに洗い、しっかり乾燥
使用後は食材のカスを残したまま放置せず、できるだけ早く洗浄しましょう。まな板に汚れが残ると、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
洗い終わった後は、水気をよく拭き取り、風通しの良い場所に立てて保管しましょう。まな板の下に接地面が少ない専用のスタンドを使うと、乾きやすくなりおすすめです。
木製のまな板を熱湯で消毒するときは、必ず先に洗剤で洗ってから行いましょう。
もし洗う前に熱湯をかけると、肉や魚のタンパク質が固まってしまい、汚れがかえって落ちにくくなります。
プラスチック製のまな板は、定期的に塩素系漂白剤で除菌・漂白を行うと、清潔な状態を保ちやすくなります。

まな板の寿命はどれくらい?買い替えの判断基準

どんなに手入れをしていても、まな板にはいつか寿命が訪れます。素材別の寿命の目安と、買い替えを検討すべきサインを知っておきましょう。
素材別の寿命の目安
もちろん使用頻度やお手入れの状況によって大きく変わりますが、一般的な寿命の目安は以下の通りです。
材質 | 寿命の目安 | 特徴 |
---|---|---|
木製(ひのき等) | 6~7年 |
|
プラスチック製 | 約2年 | 傷が付きやすく消耗品としての側面が強い |
ゴム製 | 10年以上 |
|
買い替えを検討するべきサイン
年数だけでなく、まな板の状態を見て判断することも重要です。以下のようなサインが見られたら、買い替えを検討するのが賢明です。
- 漂白しても落ちない黒ずみやカビがある
- まな板全体が大きく反ったりねじれたりしている
- 構造的な強度を損なうほどの深いひび割れが入っている
- 安定して使うには不十分な薄さ(1.5cm以下が目安)になっている
とくに深い傷は雑菌の温床となり、食中毒のリスクを高めます。衛生面を第一に考え、適切なタイミングで交換しましょう。
おすすめのまな板

これから新しいまな板を購入するなら、「削り直し」や「長期利用」を前提とした材質を選ぶのも一つの方法です。
ここでは、長く付き合えるおすすめのまな板の材質を紹介します。
削り直しに適した「木製まな板」
削り直しをしながら長く使いたいと考えるなら、一枚板の木製まな板が最適です。とくに、以下の木材はまな板に適しているとされています。
- ひば・ひのき:抗菌作用のある成分を含み黒ずみに強い
- いちょう:適度な油分が水を弾き乾きが早い
- やなぎ・かや:復元力や耐久性が高く削り直しを繰り返して数十年使えるものも
一方で、同じ木製でも「集成材」や「竹製」のまな板は、接着剤で固められているため構造的に削り直しができません。購入時に材質をしっかり確認しましょう。
耐久性に優れた「ゴム製まな板」
木の刃当たりの良さと、プラスチックの衛生的な利点を兼ね備えたのがゴム製のまな板です。
非常に耐久性が高く、傷がつきにくいのが特徴。専用の研磨具を使えば表面を再生させることも可能で、10年以上の長期間にわたって活躍してくれます。
少し重量がある点がデメリットですが、安定感を重視する方にはおすすめです。
まな板の削り直し!まずはホームセンターに確認しよう

使い込んだまな板の傷や黒ずみは、ホームセンターや専門業者に依頼して削り直すことで、新品同様に蘇らせることが可能です。
料金や期間、仕上がりの質などを比較し、ご自身のまな板の状態に合った最適な方法を選びましょう。
まずはお近くのホームセンターに、まな板の持ち込み削り直しが可能か、電話で問い合わせてみてください。
- まな板の削り直しはホームセンターの一部店舗で可能
- 訪問前には必ず電話での事前確認が必須
- ホームセンターの料金は600円から1,500円程度が目安
- より高品質な仕上がりを求めるなら専門業者への郵送依頼がおすすめ
- 専門業者の料金相場は2,000円から4,000円+往復送料
- プロに頼むと新品同様になるが薄くなりすぎないか注意が必要
- プラスチックまな板の削り直しはマイクロプラスチック問題から非推奨
- 最も手軽なDIYはダイソーの「まな板削り」
- ただし「まな板削り」は深い傷には効果が薄い
- 日頃の手入れがまな板の寿命を延ばす鍵
- 木製は使う前に水で濡らし使用後は立てて乾燥させる
- まな板の寿命は木製で6-7年、プラスチック製で2年が目安
- 深い黒ずみや反り、ひび割れは買い替えのサイン
- 削り直し前提なら「ひのき」や「いちょう」の一枚板がおすすめ
- 最終的な判断はコスト、品質、時間を総合的に考慮して決める