こんにちは。刃音録、運営者の刃音(はね)です。
楽しみしていたせいろ料理。蓋を開けてみたら、下の段はほかほかなのに、なぜかせいろの上の段だけ火が通らない……。
そんな経験をして、食事の準備中に焦ってしまったことはありませんか?
しっかりお湯を沸かしているはずなのに、2段目の食材が生煮えだったり、そもそも思ったように湯気が出ない状態だと「使い方が間違っているのかな?」と、不安になりますよね。
実はその原因は、火加減だけではありません。以下の理由から「蒸気の通り道」が塞がれ、うまく蒸せない状態を作っていることが多いのです。

- クッキングシートの敷き方:シートが網目を塞ぎ、蒸気を遮断している
- 食材の並べ方:隙間がなく、蒸気が上まで通り抜けられない
- 蒸気の循環不足:これらによって庫内の対流が止まっている
この記事では、せいろ調理のコツを余すことなく解説します。 まずは、今すぐ試せるリカバリー方法をお伝えし、上の段に火が通らないトラブルを解決。
あわせて、失敗を防ぐための「野菜や肉の蒸し時間一覧」も用意しました。 さらに「蒸しすぎると食材はどうなるのか」といった、初心者の方が抱きやすい疑問にもお答えします。
これらを順に読み進めることで、蒸気の通り道をマスターし、上下どちらの段もふっくらと仕上げられるようになるはず。
蒸気の通り道をマスターして、上下ともふっくら仕上げるコツを持ち帰ってください。
カタログの「スペック」よりも、グツグツ、シューッという「心地よい音」こそが、長く付き合える道具の証だと私は信じています。
(当ブログの理念「音の羅針盤」については「キッチンツールが奏でる音の羅針盤」の記事をご覧ください。)
- 上の段を救う緊急対応の手順
- 上だけ生焼けになる本当の原因
- 蒸気の通り道を作る並べ方のコツ
- 火が通ったかを音とサインで判断する方法
せいろの上の段に火が通らないときの緊急対応

「今すぐ温かいごはんを家族に出したい」と、焦っているあなたへ。
火加減をいじる前に、まずはせいろの中の「風通し」を良くしてあげましょう。滞っていた熱がスッと上に抜けた瞬間、驚くほど状況は好転しますよ。
上下入れ替えで蒸し直し
上の段が生焼けなら、迷わず上下の段を入れ替えて、3〜5分だけ延長戦をしてください。これだけで解決します。

「本当にそれだけ?」と拍子抜けするかもしれませんが、この単純さがせいろの最大の魅力です。
下の段は、沸騰する鍋の真上に位置する特等席。蒸気の量も温度も桁違いです。一方、上の段に届く蒸気は、下の食材を温めた後の「残り湯」のようなもの。
もし下の食材が冷え切っていると、そこで熱が使い果たされ、上まで余力が残っていないことが多いのです。
入れ替えとは、その不公平をなくし、元気な蒸気を未完成の食材へたっぷり浴びせ直す作業。これが一番確実で、失敗のない立て直し方です。
このとき、焦ってガチャガチャと音を立てると、せっかくの蒸気が逃げてしまいます。「焦ったときほど丁寧に」と自分に言い聞かせ、丁寧に手を動かしてくださいね。
入れ替えの手順(私の固定ルーティン)
目安:入れ替え+3〜5分(あくまで一般的な目安です。食材の厚みや量で変わります)
- 火は止めない(蒸気を維持したまま短時間で)
- 布巾やミトンで側面を持って、蓋は最小限に持ち上げる
- 上段を外して横に置く(置き場に皿か鍋敷きを用意)
- 下段を上に移し、外した上段を下に戻す
- すぐ蓋をして、3分→様子→必要なら+2分
もし「入れ替えてもまだ固い」のなら、それは時間の問題ではなく、食材の並べ方で「蒸気の道」を塞いでしまっている可能性が高いです。
無理に時間を延ばすより、食材の「配置」を少し変えるだけで、すんなり火が通るようになります。
入れ替え時は蒸気が一気に噴き出します。やけどの危険があるので、顔を近づけない・小さなお子さんがそばにいない状態で作業してください。
蓋は開けず追加で蒸す

心配になって何度も蓋を開けたくなりますが、そこはグッと我慢です。せいろの中は、蒸気が充満し、静かに圧力がかかっている状態がベスト。
蓋を開けるたびに熱気が逃げ、食材への火通りが悪くなってしまいます。
私は追加で蒸す際、必ずタイマーを使います。
感覚で「もういいかな」と何度も開けるより、「あと3分は信じて待つ」と決めた方が、結果的に早く、おいしく仕上がるからです。
短く時間を区切れば、蒸しすぎの心配もありません。
追加蒸しのときにやりがちな失敗
焦っているときほど、良かれと思ってやってしまう行動が逆効果になることがあります。とくに、追加で蒸し直す際には以下の3つのポイントに注意してください。
- 蓋を何度も開けて、温度を落としてしまう
- 蒸気が弱いのに時間だけ伸ばしてしまう
- 鍋の水が減っているのに気づかず、蒸気が途切れる
とくに怖いのが、鍋の水切れです。蒸し直しは予定外の延長戦。鍋の水が減り、蒸気の音が弱くなっていることに気づかず加熱を続けると、空焚きして鍋をダメにしてしまいます。
「追加蒸し」を決めたら、まずは耳を澄ませて鍋の音を確認し、水を足す。これをセットで覚えておいてください。
「追加で蒸して、食材がクタクタにならないか?」と不安になりますよね。でも野菜に関しては、多少火が通り過ぎても甘みが増し、むしろおいしくなることが多いです。恐れずに蒸してください。
ただ、お肉(シュウマイや薄切り肉)だけは、加熱しすぎるとパサパサになってしまうので、そこだけは少し気にかけてあげてください。
蓋を開けずにどうやって中の状態を知るのか。それは、せいろが発する「音」と「湯気の姿」が教えてくれます。
空焚きは鍋や周囲を傷めるだけでなく危険です。加熱中はその場を離れすぎず、異音や焦げ臭さを感じたらすぐ火を弱めて確認してください。
詰め直して隙間を作る
入れ替えを試してもダメなら、原因はほぼこれ(隙間がない)です。下の段に食材をぎゅうぎゅうに詰めすぎて、蒸気が息苦しがっている状態。
蒸気は水と同じで、抵抗の少ない「隙間」を選んで流れます。通り道がなければ、いつまで経っても冷たいままです。
私はよく、食材を外側に寄せて真ん中に指1〜2本分の「通り道」を作ります。

ほんのわずかな隙間でも、そこが蒸気の専用道路となり、煙突のように熱を一気に上まで届けてくれるのです。
応急の詰め直し(最短で効くやつ)
- 下の段だけでもいいので、食材の間に箸1本分の隙間を作る
- 中央を指2本分くらい空けて、蒸気の通路を作る
- 重なってる葉物は軽くほどいて、ぺたっと面にならないようにする
とくに葉物や薄切り肉が、底面にべったりと張り付いていると、そこで蒸気の流れが止まってしまいます。
箸でふわっと持ち上げ、立体感を出してあげる。そうすることで、蒸気が食材の間を縫うように流れ始め、全体が生き生きとしてきます。
この詰め直し作業、きれいに並べる必要はありません。焦っているときこそ、「真ん中を空ける」ことだけに集中してみてください。
それだけで、上の段へ届く熱量が劇的に変わります。
目安の考え方:下の段は「蒸す場所」であると同時に、上の段へ熱を届ける「パイプライン」でもあります。ここを完全に塞がないことが、二段蒸し成功の鍵です。
通り道を確保して蓋を閉じたら、あとはせいろからの「合図」を待ちましょう。
蒸気は見た目以上に熱いです。詰め直しは短時間で。箸を使い、手や顔を近づけすぎないでください。
蓋から漏れる湯気の勢い
成功のサインは、蓋を開けるよりも早く、目と耳に届きます。ポイントは、蓋の隙間から勢いよく「シューッ」と白い湯気が吹き出しているか。
この姿が見えれば、せいろの中は豊かな蒸気で満たされ、健全な状態に戻っています。
逆に、上の段が生焼けのときは、この湯気が弱々しかったり、変な場所から漏れていたりするものです。
耳を澄ませてみてください。鍋の中からはお湯が踊る「ボコボコ」という音、そしてせいろからは蒸気が抜ける「シュー」という音。
この二重奏が聞こえているなら、調理は順調です。
湯気と音でわかる、今の状態チェック

| サイン | 起きていること | 今すぐの対処 |
|---|---|---|
| 蓋の隙間からシューッ | 蒸気が庫内を満たして上へ流れている | そのまま蒸し切る(開けない) |
| 鍋との隙間から、蒸気が外へ漏れ出している | 蒸気がせいろに入る前に逃げている | 濡れ布巾で隙間を塞ぐ(火気注意) |
| 湯気が弱く静か | 蒸気量が足りないか、道が塞がっている | 詰め直しで隙間を作る |
| 水滴が多くポタポタ | 庫内で結露が増えている | 開閉を減らす、蒸しすぎ前に確認 |
このチェックに慣れてくると、「まだかな?」と不安になって蓋を開ける回数が自然と減ります。
結果として庫内の温度が保たれ、料理がよりおいしく仕上がる。中身が見えないからこそ、こうしたシグナルを感じ取ることが、せいろを使いこなす楽しさです。
せいろの上の段に火が通らない原因と予防

ここからは、次回の料理をよりスムーズにするためのヒントです。根本的な原因は、火力の強弱よりも「蒸気の通り道」が確保されているかどうかにあります。
高価な道具を使う必要はありません。食材の配置ひとつで、蒸し上がりは劇的に変わります。
詰め込みすぎが通行止めの元凶
先ほどの緊急対応でも触れましたが、やはり最大の原因はここに戻ってきます。下の段の「定員オーバー」です。
ここでは「なぜ詰め込むとダメなのか」、その仕組みを少しだけお話しさせてください。これを知ると、次から並べるときの意識がガラッと変わります。
蒸気は、下の段の食材に触れた瞬間、熱を渡して「お湯(水滴)」に戻ります。
つまり、下の段に食材がぎっしり詰まっていると、そこで蒸気のエネルギーがすべて使い果たされてしまうのです。

上の段に届く頃には、もう食材を温める力なんて残っていません。
次からは「7割ルール」で並べる

予防策はシンプルです。「せいろの床面積の3割は空けておく」と決めてしまうこと。
- 下の段:蒸気の「通路」として、隙間を意識的に広く取る(7割収納まで)
- 上の段:ここまで登ってきた蒸気を受け止める場所(8〜9割詰めてもOK)
下の段は、上の段のための「熱源」でもあります。「ちょっと隙間が多すぎるかな?」と不安になるくらいが、実は二段蒸しでは正解なのです。
目安の考え方:下の段を犠牲にしてでも隙間を作ることで、結果として二段とも最速で蒸し上がります。「急がば回れ」ならぬ「急がば空けろ」ですね。
中央を空けて煙突効果を活用
隙間を作るといっても、ランダムに空ければいいわけではありません。蒸気の流れをコントロールする「並べ方の型」を覚えましょう。
おすすめは、食材をドーナツ状に並べる「煙突配置」です。ただ真ん中を空けるだけでなく、「食材の厚み」を意識して配置するのがプロのコツです。
蒸気の癖を利用した「最強の布陣」
せいろの中では、蒸気は「中央を昇り、蓋に当たって外側へ降りてくる」という対流を起こします。
- 中央(煙突エリア):ここだけは食材を置かず、指1〜2本分の隙間を確保して「蒸気の高速道路」にする。
- 内側(火が通りやすい食材):葉物野菜や薄切り肉など、すぐ火が通るものを置く。
- 外側(火が通りにくい食材):根菜や厚みのある肉は、蒸気が滞留して温度が安定しやすい外周沿いに並べる。
特別な道具は要りません。ただ「置く場所」を意識するだけ。このフォーメーションを組むだけで、せいろ内の熱効率は劇的に変わります。
クッキングシートが邪魔をしている
意外な落とし穴が、汚れ防止のために敷いている「クッキングシート」や「お皿」です。
せいろの直径と同じサイズのシートをぺらっと1枚敷いていませんか? あるいは、下の段にお皿ごと料理を入れていませんか?
これらは、下から上がってくる蒸気に対して「完璧な蓋(遮断壁)」をしてしまっているのと同じ状態です。
「汚さない」と「蒸す」を両立する3つの正解

シートを使う場合は、以下のいずれかの方法で必ず「蒸気の逃げ道」を作ってください。
- 野菜を敷く(おすすめ):キャベツや白菜、レタスなどをシート代わりに敷きます。野菜の凸凹した隙間から蒸気が通り抜けますし、肉汁を吸った野菜も一緒に食べられて一石二鳥です。
- 穴あきシートを使う/穴を開ける:市販の「せいろ用シート(穴あき)」を使うのが最も確実です。普通のシートを使う場合は、菜箸やパンチで数か所に穴を開け、蒸気が通るように加工してから使いましょう。
- 小さく切って「座布団」にする:肉やシュウマイなど脂が出る食材には、食材のサイズに合わせてカットしたシートを個別に敷くのがおすすめです。食材のない部分は網目が露出するので、強力な蒸気の通り道になります。
蒸し板で蒸気漏れを止める
蒸し板(せいろの下に敷く金属プレート)は、単なる台座ではありません。鍋とせいろを密着させ、蒸気を逃さず送り込むための重要なパーツです。
もし鍋とせいろのサイズが合っていなければ、せっかくの熱が脇から逃げてしまいます。
火にかけたとき、せいろの側面からモクモクと湯気が漏れていませんか? もしそうなら、それはエネルギーの無駄遣いです。
本来せいろの中を通るはずの蒸気が外へ逃げているため、当然、上の段への加熱は弱くなります。
音も、「シューッ」という力強い音ではなく、鍋の周りで拡散するような散漫な音になりがちです。
- サイズの不一致:鍋が小さすぎて、せいろが不安定になっている。
- 網目の目詰まり:意外と見落としがちですが、以前の調理による脂やデンプンが網目に詰まり、物理的に塞がれていることも。たわしでゴシゴシ洗う感触も、メンテナンスの大切な工程です。
- 乾燥による隙間:せいろが乾ききって木が縮んでいると、隙間から蒸気が漏れやすくなります。使用前にサッと水で濡らすと、木が膨らんでピタッと密着してくれます。
蒸し板や鍋まわりは高温です。調理中に布巾で隙間を塞ぐなどの応急処置をする際は、火が布巾に移らないよう細心の注意を払ってください。
サイズ合わせは、決して「高級な道具を揃えろ」という意味ではありません。
お手持ちの道具同士が、しっかりと噛み合っているか。そのフィット感を確認するだけで、蒸気の漏れは防げます。
目安:湯気が「せいろの中へ入る」よりも「横へ逃げる」量が多いなら、それは道具からの「組み合わせを見直してほしい」というサインかもしれません。
100均やニトリ等のアイテムを使った賢い選び方については、こちらの記事で詳しく触れています。
湯気が出ないときの予熱

予熱は、二段蒸しを成功させるための「助走」です。鍋のお湯が沸騰し、勢いよく湯気が上がっている状態。
そこへせいろを乗せた瞬間、「ブワッ」と蒸気が立ち上る。このスタートダッシュが決まれば、上の段まで一気に熱が届きます。
逆に、湯気が弱い状態で食材を入れてしまうと、最初は「蒸し」ではなく「生温かい空間」になるでしょう。
これでは時間が読めなくなり、いつまで経っても火が通らないというストレスの原因になります。
予熱が足りないと起きること
- 蒸し時間が読めなくなる(いつまで経っても上が固い)
- 途中で何度も開けてしまい、さらに遅くなる
- 野菜が水っぽくなる(低温で長く当てると結露が増えやすい)
予熱完了の合図は、目と耳で確認します。鍋の蓋の隙間から勢いよく湯気が吹き出し、鍋の中が「ボコボコ」と音を立てているか。
そこにせいろを乗せた瞬間、庫内の音が「シューッ」と切り替わる。この音の変化を感じたら、調理スタートです。
地味に効く小ワザ(安全にできる範囲で)
- 鍋の湯量はケチらない(蒸し直しがあっても安心な量を)
- せいろ本体を軽く湿らせてから使う(木の収縮を防ぎ、密閉性を高める)
- 冷えた食材ほど、予熱をしっかりしてから入れる
「湯気が出ないから火力が弱い」と思いがちですが、実は「食材を入れるタイミングが早すぎた」というケースも多いんです。しっかりと沸騰させ、蒸気の準備が整ってから食材を迎える。この一呼吸が、二段蒸しの成功率をグッと引き上げてくれます。
ここまで環境が整えば、あとは食材ごとの個性に合わせた時間管理です。
せいろは何分蒸す?失敗しない目安時間一覧

蒸し時間は、食材の大きさや量、開始時の温度によって変化します。ここでは一般的な目安を紹介しますが、最終的に頼りになるのは、あなたの感覚です。
キッチンごとの環境差もあるので、これらの時間をベースに、微調整を楽しんでみてください。
数値はあくまで一般的な目安です。食材の衛生や安全に関して不安がある場合は、正確な情報は公的機関やメーカーの案内をご確認ください。体調やアレルギー等の事情がある場合、最終的な判断は専門家にご相談ください。
| 食材 | 目安時間 | おすすめ段 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 葉物野菜(小松菜など) | 2〜3分 | 上 | 色が鮮やかになったら早め |
| ブロッコリー | 3〜5分 | 上 | 茎に串が通ればOK |
| きのこ類 | 4〜6分 | 上 | 水分が出やすいので詰めすぎない |
| 薄切り肉(豚しゃぶなど) | 3〜5分 | 上〜下 | 重ねず広げる+中心の色を確認 |
| 鶏肉(ブロック) | 10〜12分 | 下 | 厚みで変動/中心まで確認 |
| 根菜(さつまいも等) | 15〜20分 | 下 | 細めに切るほど安定 |
| じゃがいも(くし形) | 12〜18分 | 下 | 中心が硬いときは+3分 |
基本は、火の通りにくい根菜やブロック肉を「熱の強い下段」へ、サッと蒸したい葉物は「穏やかな上段」へ。この配置にするだけで、生焼けトラブルの多くは回避できます。
同時調理を成功させるコツ(時間差スタート)
根菜に15分、葉物に3分かかるとします。これを同時にスタートさせると、葉物はクタクタ、根菜はまだ硬い、という事態になりがちです。
そこで私がよくやるのが「時間差スタート」です。まず根菜を入れた下段だけで10分蒸し、その後に葉物を入れた上段を重ねて残り数分。
これで、最後は同時に熱々の状態で完成します。
時間差の考え方:足並みの揃わない食材たちを、ゴールの瞬間だけ合わせるイメージです。これができると、二段蒸しの段取りがまるでパズルのようにピタリとハマり、とても気持ちいいですよ。
そして最後は、自分の手で完了の合図を確認しましょう。
まだ生焼け?竹串サインで見極める
どれだけ時間を計っても、最終的な判断を下すのは、あなたの目と手です。私は竹串を刺したときの、指先に伝わる感触を何より信頼しています。
見た目では分かりにくい蒸し料理だからこそ、この「触覚」の確認が安心感を生みます。
竹串のチェックポイント
竹串は、食材の中を見通す「潜望鏡」のようなものです。 単に「柔らかいかどうか」だけではありません。
刺した瞬間の手応えと、抜いた直後の温度から、以下のサインを読み取ってください。
- スッと通る:抵抗なく入れば、中までしっかり火が通っている証拠。
- 中心で引っかかる:「ガリッ」という硬さを感じたら、まだ早いです。追加で数分蒸しましょう。
- 水っぽい汁が出る肉:透明な肉汁ならOKですが、濁っている場合は不安が残ります。安全のため延長を。
根菜類はとくに、外側が柔らかくても中心が硬いことがあります。必ず食材の真ん中を刺して確認しましょう。
葉物野菜は、鮮やかな緑色に変わり、しんなりとした佇まいになれば、それが「食べごろ」の合図です。
肉のときは「安全」を優先
お肉の生焼けは食中毒のリスクもあるので、慎重になりますよね。
私は「迷ったら蒸す」を鉄則にしています。
厚生労働省の目安(中心温度75℃で1分以上)を意識しつつ、不安な要素があれば時間を足す。それが家庭料理における一番の安全策です。
食材の衛生・安全に関する判断はご家庭の状況で変わります。心配がある場合は、公的機関やメーカーの案内をご確認ください。
温度計があれば心強いですが、ない場合は竹串を使ったアナログな方法も役立ちます。刺して抜いた直後の竹串を、(火傷しない距離で)手の甲などに近づけてみてください。
中心まで熱が通っていれば、竹串全体から確かな熱気を感じるはずです。
湯気の音、立ち上る香り、そして竹串から伝わる感触。五感をフル活用して、「おいしい」の瞬間を捉えてください。
竹串がスッと通った瞬間の気持ちよさは、料理をする人だけの特権です。
せいろの上の段に火が通らないまとめ

せいろの二段蒸しで上の段が生焼けになる。その原因の多くは、下の段で蒸気の通り道が塞がれていることにあります。
「中火〜強火」という火力の土台があってこそですが、蒸気が出ているのに蒸せない場合は上下を入れ替え、中央に煙突を作り、葉物野菜や穴あきシートを活用してみてください。
それだけで、せいろ内の蒸気はスムーズに循環し始めます。
今日の結論(ここだけ覚えて帰ってOK)
- まず上下を入れ替えて3〜5分延長
- 改善しなければ下段を詰め直して隙間を作る
- 中央を空けて煙突効果を作る
- 湯気の勢いと音で状態を判断する
- 最後は竹串サインで決める(肉は慎重に)
最後にもう一つだけ。蒸し直しで時間が延びるときは、空焚きだけ注意してください。水が減っていたら、差し水(お湯がベスト)を行いましょう。
せいろ調理は、焦らず蒸気の道を整えてあげれば、必ずおいしいゴールに辿り着けます。
高い道具を買うよりも、蒸気の通り道を意識すること。この「見えない流れ」を感じ取れるようになれば、せいろはもっと自由で、優しい相棒になります。次からは「上だけ生焼け」というピンチも、きっと冷静に対処できるはずです。
せいろ選びで後悔してほしくないから、失敗から学んだ「21cmが正解」の理由と、長く愛用するコツをすべてまとめました!

