蒸し料理に挑戦したいけれど、せいろがないから無理だと諦めていませんか?
近年、蒸し料理は健康志向の高まりから注目されていますが、専用の蒸し器がないという理由で、挑戦をためらう方も少なくありません。
とくに、せいろを購入したいと思っていても、せいろの値段や保管方法について、購入後に後悔するのではないかと不安になる方もいるようです。
しかし、安心してください。形状は選びますがあなたのキッチンにあるフライパンや鍋で、十分に蒸し器を代用できます。
また、蒸し板なしで代用する方法はありますし、フライパンに直接食材を置くやり方もあります。
これらの代用方法をマスターすれば、肉まんやシュウマイといった人気のレシピも簡単に作れるでしょう。
もし専用の道具を買い足すとしても、アルミホイルやクッキングシートで代用する応用術もあれば、蒸し板が100均のダイソーやセリア、そしてニトリや無印といった身近な店舗でも安価に見つけられます。
せいろの使い方を初めて知る方でも、料理に合わせた最適な蒸し時間の一覧を把握すれば、初心者でも美味しい蒸し料理を始められるでしょう。
- フライパンや鍋を使った蒸し器の代用方法
- 身近な代用グッズと本格的な蒸し器の選び方
- 蒸し料理に最適な食材と調理時間の目安
- せいろを安全に使うための基本と注意点
せいろがなくてもフライパンで代用できる蒸し料理

ここでは、ご家庭にある調理器具や身近なアイテムを使い、本格的な蒸し器がなくても美味しい蒸し料理を楽しむ方法をご紹介します。
特別な道具がなくても、素材の旨味を最大限に引き出すヘルシーな調理法は、すぐにでも始められます。
記事で紹介する簡単な工夫を試すことで、日々の食卓がより豊かに、そして健康的になるでしょう。
- フライパンや鍋はなんでもいい?
- フライパンに直接置くのは大丈夫?
- 蒸し板なしでもできるフライパン活用術
- アルミホイルやクッキングシートで代用
- 蒸し料理に使えるグッズはこれ
フライパンや鍋はなんでもいい?

ご自宅にある深めのフライパンや鍋は、蒸し器の代用として活用できます。しかし、フライパンや鍋はなんでもいいというわけではありません。
蒸し料理の基本は、食材が水に直接触れることなく、蒸気が充満した空間で加熱されることです。この環境を再現するには、深さのある調理器具が必要です。
とくに、耐熱皿やお椀を台座として使う場合、十分な高さを確保できるものを選ばなければなりません。
また、長時間蒸す料理には、水が途中でなくならないようにするためにも、深さのある鍋が適しているのです。
≫蒸し料理に適切なフライパンに悩んでいる方は「フライパン26cm vs 28cm!あなたに最適なのはどっち?」の記事が参考になります。
フライパンに直接置くのは大丈夫?

食材をフライパンに直接置いて蒸す方法もありますが、手軽な一方で注意点もあります。当然ながら、食材が水に直接触れるため、仕上がりが水っぽくなる可能性があります。
とくに、肉まんやシュウマイといった皮のある点心は、底がべちゃついて食感が損なわれてしまうでしょう。しかし、この方法が適している料理もあります。
たとえば、野菜や魚などは、蒸し焼きのような状態で美味しく仕上がります。そのため、ヘルシーな一品を作りたいときには有効な方法です。
出典:国立医薬品食品衛生研究所
蒸し板なしでもできるフライパン活用術

専用の蒸し板がなくても、蒸し器を代用する方法は数多くあります。最も一般的で応用範囲が広いのが、耐熱皿やお椀を台座として利用する方法です。
深さのあるフライパンや鍋の底に、耐熱性の茶碗やココット皿を逆さにして置き、その台座の上に食材を乗せた平皿を静かに載せます。
ココット皿とは、オーブンや蒸し料理に使える耐熱性の小さな容器のことです。
この方法であれば、食材が水に直接触れることなく、蒸気が全体にいきわたる空間を作り出せます。
もちろん、ザルやケーキクーラーも優れた代用品となります。
深めの鍋に、鍋の縁に引っかかるサイズの金属製または竹製のザルをセットするだけで、簡易的な蒸しカゴとして機能するでしょう。
ただし、プラスチック製のザルは熱で変形する可能性があるため、使用を避けてください。
アルミホイルやクッキングシートで代用

アルミホイルやクッキングシートを使えば、手軽に蒸し料理が楽しめます。これらの素材は、熱の伝導性や水分保持、蒸気の透過性を巧みにコントロールしてくれます。
たとえば、アルミホイルで食材を包んで加熱するホイル蒸しは、手軽さと美味しさを両立する調理法です。
アルミホイルは熱を均等に伝える性質を持ち、食材を密閉することで内部の水分や旨味を逃がさず、ふっくらとジューシーな仕上がりになります。
また、調理後の洗い物が少ないことも、この調理方法の利点でしょう。
一方で、クッキングシートは適度に蒸気を通し、液体は通しにくいという特性を持っています。
そのため、フライパンの底にクッキングシートを敷き、その上にシュウマイや肉まんを直接並べる「敷き蒸し」に最適です。
さらに、食材が鍋底に張り付くのを防ぐだけでなく、油分や肉汁が落ちるのを軽減するため、後片付けが容易になります。
蒸し料理に使えるグッズはこれ

家庭にある調理器具での代用術をマスターした後は、さらに手軽さと効率を求める方に向けて、安価で優れた市販の代用ツールをご紹介します。
ダイソーの蒸しアイテム
100円ショップは、蒸し料理入門に最適なアイテムの宝庫です。ダイソーの「ステンレス折りたたみ蒸し器」は、330円という価格ながら、優れた汎用性と収納性を持っています。
直径14.5cmから23.5cmまで伸縮するため、ご自宅にあるさまざまなサイズのフライパンや鍋に対応できるでしょう。
また、使用しないときはコンパクトに折りたため、収納スペースをとりません。ユーザーレビューでは、この手軽さと、カビの心配がないステンレス製でお手入れが簡単な点がとくに高く評価されています。
セリアの蒸しアイテム
セリアの「蒸し&落し蓋プレート」は110円という低価格で、一つの道具が二つの役割をこなす賢いアイテムです。
蒸し料理に使わないときは、煮物などの落とし蓋としても活用でき、費用対効果が非常に高いです。
ニトリの蒸しアイテム
ニトリの「二品作れるレンジせいろ蒸し器」は、火を使わずに電子レンジで蒸し料理を可能にする、現代的なニーズに応えた製品です。
この製品の最大のメリットは、火を使わないため、ほったらかし調理が可能となり、その間に他の家事や作業ができる点でしょう。
また、自然素材のせいろとは異なり、手入れが簡単な樹脂製であるため、気軽に使える点も高く評価されています。
一方で、電子レンジの特性上、蒸しムラが生じやすいという課題も指摘されています。そのため、使用する際は食材の向きを変えたり、上下の段を入れ替えたりするなどの工夫が必要です。
せいろとフライパンを使いこなして蒸し調理を代用

ここでは、ご家庭にある調理器具や身近なアイテムを使い、本格的な蒸し器がなくても美味しい蒸し料理を楽しむ方法をご紹介します。
特別な道具がなくても、素材の旨味を最大限に引き出すヘルシーな調理法は、すぐにでも始められます。
記事で紹介する簡単な工夫を試すことで、日々の食卓がより豊かに、そして健康的になるでしょう。
- フライパンや鍋はなんでもいい?
- フライパンに直接置くのは大丈夫?
- 蒸し板なしでもできるフライパン活用術
- アルミホイルやクッキングシートで代用
せいろの基本的な使い方と初めての方へ

せいろの使い方が初めての方でも、いくつかの基本的な手順を押さえるだけで、プロのような美味しい蒸し料理を簡単に楽しめます。
料理の仕上がりが格段に良くなるだけでなく、お手入れ方法を間違えなければ、せいろは一生ものの道具として長く愛用できるでしょう。
使う前の準備
せいろを使う前には、必ず全体を水でさっと濡らしてください。これは、せいろが蒸気を適度に吸収し、食材がべたつかずふっくらと仕上がるための大切な工程です。
また、水で湿らせることで、鍋の熱による焦げつきや食材の匂い移りを防ぐ効果も期待できます。
蒸すときのコツ
食材を蒸す際は、せいろの底に直接置かずに、クッキングシートやキャベツ、白菜などの葉物野菜を敷くと良いでしょう。
食材とせいろの間にクッションとなるものを入れることで、肉や魚の脂分がせいろに染み込むのを防ぎ、後片付けが非常に楽になります。
また、おこわやもち米を蒸す場合は蒸し布巾を使用すると、水分を程よく調整してくれ、より美味しく仕上がります。
せいろを重ねて調理する場合は、蒸し時間の短いものを上の段に配置すると、効率よく調理できるのでぜひ試してください。
お手入れと保管方法
せいろを長く使うためには、調理後のお手入れが最も重要です。
せいろは天然素材のため、洗剤の使用は避けてください。洗剤の成分が木に浸透し、次に使う際に料理に匂いが移ってしまう可能性があります。
使用後は、ぬるま湯でさっと洗い流し、汚れを布巾で拭き取りましょう。その後、カビの発生を防ぐため、風通しの良い場所でしっかりと陰干しすることが大切です。
また、直射日光はひび割れの原因となるため、絶対に避けてください。
料理に合わせた最適な蒸し時間

蒸し料理を成功させるためには、食材に合わせた最適な蒸し時間を把握することが重要です。料理の美味しさは、火の通り具合で決まります。
最適な蒸し時間 | ||
食材 | カットの目安 | 蒸し時間 |
鶏むね肉 | そぎ切り | 約7〜9分 |
豚バラ肉 | 薄切り | 約5〜7分 |
鮭の切り身 | 1切れ | 約8〜10分 |
カボチャ | 5mm厚の薄切り | 約8〜10分 |
ジャガイモ | 5mm厚の輪切り | 約10〜12分 |
ブロッコリー | 小房に分ける | 約4〜6分 |
冷やご飯 | 1膳分 | 約8〜10分 |
肉まん | 1個 | 約5〜10分 |
100均のダイソー・セリアやニトリ・無印の蒸し板

ご自宅でせいろを使おうとした際、お手持ちのフライパンや鍋とサイズが合わず、安定しないという問題に悩まされることがあります。
このような場合に役立つのが蒸し板です。蒸し板は、鍋の上に置いてせいろを安定させ、蒸気が効率よく回るようにする専用のアイテムです。
蒸し板はせいろを鍋底の熱から守り、焦げつきを防ぐ役割も果たします。無印良品では、せいろと組み合わせて使う本来の蒸し板として「アルミ 蒸篭(せいろ)用/受け台」が販売されています。
この蒸し板は、直径20〜24cmのフライパンに対応しており、ご家庭の鍋でもせいろを安定して使えるように設計されています。
一方、100円ショップのダイソーやセリア、そしてニトリでよく見かけるのは、蒸し板とは異なる、鍋を簡易的な蒸し器として代用するためのツールです。
たとえば、ダイソーの「ステンレス折りたたみ蒸し器」や、セリアの「蒸し&落し蓋プレート」、ニトリの「二品作れるレンジせいろ蒸し器」などがこれにあたります。
これらはせいろと組み合わせて使う道具ではなく、それ自体が蒸し料理に使える代用品です。
本格的な蒸し板や、ご自身のせいろに合った蒸し板を探す際は、後述する専門店やオンラインストアを参考にしてみてください。
蒸し板はどこで買う?

蒸し板は前述の通り、せいろと鍋のサイズが合わない際に役立つ、せいろ専用の道具です。
蒸し板は、無印良品や中華街にあるような老舗の調理器具専門店、和の道具を専門に扱うオンラインストアなどで見つけられます。
賢く選ぶおすすめの蒸し器とせいろ

ご家庭にある道具での代用術を試した後、蒸し料理の魅力をさらに追求したい方には、本格的なむしきやせいろの選択肢を検討することをおすすめします。
ここでは、あなたのライフスタイルに合わせた賢い道具の選び方について解説します。
蒸し器
せいろ以外の本格的な蒸し料理の道具として、さまざまなタイプの蒸し器があります。それぞれ独自の利点を持っているため、ご自身の調理スタイルや目的に合わせて選ぶことが大切です。
- ステンレス製蒸し器
- 熱伝導率が高く短時間で調理できる
- 耐久性が高く手入れが簡単
- 電気蒸し器
- 火加減調節が不要なほったらかし調理が可能
- 火を使わないため安全性が高い
- 土鍋(すのこ付き)
- 遠赤外線効果で食材がふっくら仕上がる
- 蒸し料理の後に鍋としても使える
せいろ
せいろは、木や竹といった天然素材が持つ独自の特性により、料理の仕上がりを格段に引き上げてくれます。
蒸気を適度に吸収・放出しながら調理するため、食材がべたつかず、ふっくらとした理想的な食感に仕上がる点が最大の魅力です。
素材によって特徴が異なり、最も手頃な杉製はほんのりと木の香りが料理に移ります。
コストと耐久性のバランスに優れる竹製は、香りが控えめなため、料理に香りをつけたくない場合に適しています。
また、最も高価なヒノキ製は、強度と耐久性が高く、適切に手入れすれば一生ものとして長く愛用できるでしょう。
サイズは、一人暮らしなら18cm、家族向けなら24cm以上が目安となります。
賢く選ぶおすすめの蒸し器とせいろ
蒸し料理に人気のレシピと食材

蒸し料理は、食材本来の味と栄養を活かせるヘルシーな調理法として人気です。
肉まんやシュウマイはもちろん、豚バラ肉や根菜の蒸し料理はヘルシーでありながら満足感があります。とくに豚バラ肉は、余分な脂が落ちてさっぱりと食べられます。
野菜でカボチャやサツマイモ、ジャガイモなどの根菜類はホクホクとした食感が美味しさを引き立てるでしょう。
ブロッコリーやキャベツなどの葉物野菜はシャキシャキとした食感を保ちながら、甘みが引き立ちます。
魚では、タラや鮭などの切り身がホイル蒸しに最適です。
これらの食材を使った人気のレシピは非常にシンプル。
たとえば、豚バラ肉の蒸し料理は、薄切りにした肉と、乱切りにしたレンコンやサツマイモを重ねて蒸すだけで、旨味と甘みが凝縮された一品に仕上がります。
また、魚のホイル蒸しは、アルミホイルに魚とキノコや野菜を並べて軽く塩胡椒をして包み、フライパンで蒸すだけでふっくらジューシーなご馳走が完成です。
よくある質問(Q&A)

蒸し料理に興味があっても、道具の安全性や使い方、お手入れ方法に関して、まだいくつかの疑問が残っているかもしれません。
ここでは、そうしたよくある疑問に一つずつお答えしていきます。
Q1. フライパンでせいろを使う場合、IHコンロでも使えますか?
IH対応のフライパンであれば使用可能です。ただし、IHは熱の伝わりが非常に早いため、水が蒸発しやすく、空焚きに注意が必要です。
蒸し時間が長くなる料理の場合は、途中で水が減っていないかこまめに確認し、必要に応じて熱湯を追加するようお勧めします。
蒸し板を使用すれば、せいろが直接熱源に触れるのを防ぎ、より安全に調理できるでしょう。
Q2. アルミホイルでホイル蒸しをするのは安全ですか?
アルミホイルは調理に広く使用されている安全な素材だとされています。
しかし、酢やトマトソースといった酸性度が高い食品や、塩分を多く含む食品と長時間接触させると、アルミニウムが溶け出す量が顕著に増加することが複数の研究で示されています。
この化学反応を理解した上で、ポン酢や塩気の強い魚料理をホイル蒸しにする際は、食材を直接ホイルに触れさせない工夫をすることが有効です。
出典:国立医薬品食品衛生研究所
Q3. 代用品を使う際、火加減はどのように調整すれば良いですか?
火加減は、鍋に水を入れ沸騰させて蒸気がしっかり上がってからは、中火から弱火に調整することが大切です。
とくに、茶碗蒸しやプリンといった卵料理は、加熱しすぎると「す」と呼ばれる蜂の巣状の穴が入り、食感や見た目が損なわれてしまいます。
このため、火加減を弱火に調整し、じっくりと火を通すことが重要になります。
Q4. せいろにカビが生えてしまったらどうすればいいですか?
せいろに生えたカビは、木材の繊維の奥まで侵食していることが多いため、洗剤で洗っても完全に除去するのは難しいとされています(出典:竹虎(株)山岸竹材店)
不衛生な状態であることから、残念ながら買い替えを推奨する専門家もいるようです。
カビを予防するためには、使用後の乾燥を徹底し、風通しの良い場所で保管することが最も大切になります。
Q5. レンジ用の蒸し器は蒸しムラが気になります。対策はありますか?
電子レンジの特性上、蒸しムラが生じやすいという声は聞かれます。しかし、いくつかの工夫でこの課題に対応できます。
たとえば、調理の途中で食材の向きを変えたり、上下の段を入れ替えたりするなどの方法が有効です。
また、食材を均一な大きさに切ることも、ムラなく火を通す上で重要なポイントになります。
せいろがない方もフライパンを代用して蒸し料理をしよう

この記事では、せいろがなくてもフライパンで蒸し料理を代用する方法から、本格的な道具の選び方までを解説しました。
ご家庭にあるフライパンや鍋、アルミホイルなどを活用すれば、特別な道具がなくても蒸し料理は手軽に始められます。
さらに、100円ショップのアイテムやニトリの製品を使えば、より簡単に調理が可能です。
蒸し料理は、素材の旨味や栄養をそのままに、ヘルシーな一品が作れる優れた調理法です。この記事を参考に、まずは身近な道具で蒸し料理を試してみましょう。
- フライパンや鍋は深さがあれば蒸し器を代用できる
- 耐熱皿やお椀で台座を作る「蒸し板なし代用」が最も手軽
- アルミホイルやクッキングシートも便利な代用グッズ
- 100円ショップやニトリには安価な蒸し器代用品がある
- せいろを使う際は事前に水で濡らすことが大切
- 蒸し板はせいろとフライパンのサイズが合わないときに役立つ
- 豚バラ肉や根菜、魚は蒸し料理に最適な食材
- 蒸し料理は余分な油が落ちてヘルシー
- 食材ごとに最適な蒸し時間を確認することが成功の鍵
- 火加減を調整すれば茶碗蒸しやプリンも作れる
- 蒸し料理は食材本来の旨味や栄養を逃がしにくい
- 冷凍のごはんやパンの温め直しにも最適
- 電子レンジを使えばさらに時短で調理可能
- 後片付けが簡単なのも蒸し料理の魅力
- 火を使わない調理法は安全性が高い