こんにちは。刃音録、運営者の刃音(はね)です。
温かい湯気が立ち上る光景、ふわりと広がる木の香り。そんな「五感が喜ぶ食卓」に憧れて、わが家に迎えたはずのせいろ。
でも、いざ使い始めると手入れに気を使うし、場所もとる。気づけば戸棚の奥へ追いやられていませんか?
「スペック」だけでは分からない、こうした五感が喜ぶ「心地よいシグナル(音)」こそが、道具選びの大切な基準だと、私は考えています。
(当ブログの理念「音の羅針盤」については「キッチンツールが奏でる音の羅針盤」の記事をご覧ください。)
カビが生えたらどうしようという不安や、かさばる収納へのモヤモヤ。
いつしか「せいろはめんどくさい」「もう使わないから処分しようかな」と、気持ちが離れてしまう瞬間があるかもしれません。
とくに洗うときは「専用のブラシじゃなきゃダメ?」と手触りで迷ったり、空蒸しひとつとっても「毎回15分も待つの?」と時間の重みを感じたり。
正解がわからなくて、手が止まってしまうこともありますよね。
この記事では、そんな「ちょっとした億劫」を解消するために、出し入れの“よいしょ”がなくなる吊るし収納や、手入れのハードルを下げるヒントをご紹介します。
さらに、どうしても手間が気になってしまう日のために、電子レンジ対応のアイテムや食洗機OKな選択肢という「逃げ道」も用意しました。
無理なく美味しい蒸し料理を続けるために、あなたの今の暮らしになじむ付き合い方を、一緒に探していきましょう。
- せいろがめんどくさいと感じる原因の正体
- 空蒸しのやり方と、すぐ使う場合の判断軸
- 吊るし方・収納・洗い方でノイズを減らす手順
- オートクッカービストロや電子レンジ対応の現実的な逃げ道
せいろはめんどくさい?そう感じる原因の正体

せいろが面倒に感じるのは、決してあなたの意志が弱いからではありません。暮らしの中にある小さな「違和感(ストレス)」に、五感が正直に反応しているだけです。
道具が発する不協和音を、体がちゃんと拾っている。ここでは、その正体をひとつずつほどいていきます。
出し入れが面倒で収納迷子になるストレス
「めんどくさい」の最初の壁は、蒸し始めるまでの準備の多さです。鍋・受け台・水・火加減・お皿にクッキングシート、蒸し上がったときの置き場所やミトン……。
これらを揃えるたびにカチャカチャと音が鳴り、やるべきことが積み重なっていく。このせわしなさが、料理を始める前の心を重くします。
さらに収納面では、せいろ特有の丸くてかさばる形が地味に効いてきます。棚に入らない、重ねると下のものが取れない。
しかも湿気が大敵なので、扉付きの棚に押し込むのもためらわれます。
「風通しはどうだろう?」「カビないかな?」という視覚や嗅覚への不安が、「出しにくい場所に置く」→「出すのが億劫になる」という悪循環を生んでしまうのです。

段取りが増えるポイント
- 鍋とせいろの組み合わせが毎回変わり、受け台も用意が必要
- 水量の目安が曖昧で、途中で覗いて不安になる
- 蒸し上がりの置き場が決まらず、熱いせいろを持ってウロウロする
- 使い終わった後の乾燥場所が定まらず、とりあえず置きになる
注意:熱いせいろを持って移動すると、蒸気で手首をやけどしやすいです。本体や蓋も高温になるので、置き場(鍋敷き・耐熱トレー)を先に作ってから蒸し始めるのが安全です。
結論:段取りは先に固定すると一気に静かになる
この4つの悩みは、すべて「毎回いちいち判断している」から疲れるのです。だから、判断を先に済ませてしまいましょう。
具体的には、鍋・受け台・置き場・乾燥場所・水量のルールを固定します。これだけで、「どうしようかな」という迷いが消え、手が勝手に動くようになります。
固定する5つのポイント
- 鍋(相棒)
- 受け台(常備)
- 蒸し上がり置き場(耐熱)
- 乾燥場所(風通し)
- 水量(ルール化)
手順:固定するのは難しくない

鍋と受け台
「このせいろには、この鍋」とペアを決めてしまいます。これだけで準備のスピードが変わります。よく使うなら、受け台は鍋のそばに出しっぱなしでも構いません。
もし手持ちの鍋とサイズが合わない場合は、専用の受け台を一つ用意しておくとグラつきがなくなり、安全面でも安心です。
グラグラする不安定な感触は、調理中の触覚的なストレスになりますから。
蒸し上がり置き場
置き場所は、火をつける前に確保します。耐熱トレーか鍋敷きをコンロの横へ。ミトンもそこにセット。
これで、熱々のせいろを持ったまま「どこに置こう?」とウロウロすることがなくなります。
乾燥場所
「一時置き」と「最終位置」を決めます。洗った直後は水切りかごへ、水が切れたら風通しの良い定位置へ吊るすか立て掛ける。
ここまでをセットにすれば、“とりあえず置き”で邪魔になることもありません。吊るし方については後半で詳しく触れます。
水量
完璧な量を探るより「覗かなくていいルール」を作ったほうがラクです。
あくまで目安ですが、短時間なら鍋底が隠れるくらい、長いなら最初からたっぷり、足すときは熱湯、と決める。
「シュンシュン」と音がしていれば沸騰していますが、音はあくまで沸騰の合図であり、水が残っている保証ではありません。
慣れるまでは、長時間蒸すときだけ一度蓋を開けて、水面を目視すると安心です。
水量や蒸発量は鍋の形状・火力・室温で変わります。数値はあくまで一般的な目安です。正確な情報はメーカーの取扱説明書や公式案内をご確認ください。
チェック:これが満たせたら“段取りの勝ち”
- せいろを使う前に「どの鍋にしよう」が浮かばない
- 蒸し上がったら置き場へ一直線で移動できる
- 使い終わったせいろの帰る場所が決まっている
- 途中で不安になって覗く回数が減る
補足:大事なのは「完璧にすること」ではなく「迷いを減らすこと」。迷いが減るほど、道具を使うストレスは静まっていきます。
乾燥不足でカビが怖いという隠れた不安
せいろの面倒さを増幅させているのが、カビへの恐怖でしょう。使い終わった後に指先に湿った感触が残っていると、「これ、本当に乾くかな…」と頭の片隅で気になってしまう。
これが地味に疲れるんですよね。しかもカビは、見つけた瞬間の視覚的ショックが大きく、「自分には管理できなかった」という敗北感まで連れてきます。
カビの怖さは、衛生面だけではありません。次に使うとき、つい匂いを嗅いで確認したり、黒ずみを探してしまったり。
せっかく美味しい蒸し料理を作ろうとしているのに、頭の中が「大丈夫かな?」で埋まってしまう。これでは、せっかくの木の香りも楽しめません。
ここで大事なのは、乾燥を「頑張る」のではなく「仕組み」に任せることです。自分の注意力で乾かそうとすると、忙しい日に負けてしまいます。
だから最初から、湿気が残らない仕組みを作っておく。これがカビの不安を消す近道です。
直射日光で一気に乾かすと、素材が急に縮んで割れや反りの原因になることがあります。乾燥は「風通しの良い日陰」が基本です。
カビを遠ざける乾燥の考え方
乾燥で意識してほしいのは、「重ねない」「空気を通す」「乾くまで待つ」の3つだけ。せいろは呼吸する道具なので、密閉したり重ねたりして呼吸を止めるほどリスクが増えます。
逆に言えば、風さえ通れば木が勝手に呼吸し、湿気を手放してくれます。
乾燥の合格サイン:触った瞬間に「カサッ」とした乾いた感触が戻っていること。しっとり感が残るなら、まだ途中です。
蓋が乾きにくい問題
意外と見落としがちなのが「蓋」です。本体は乾きやすいのですが、蓋の縁や編み目の奥には湿気が残りやすいもの。
ここに水分が残ると、数日後にじわっと嫌な匂いが戻ることがあります。だから、蓋こそ“置き方”が命。立て掛けて空気を通すか、吊るすか。これだけで成功率はグンと上がります。
補足:梅雨や冬の結露する時期は、どうしても乾きにくくなります。それはあなたのせいではありません。
そういう時期は「扇風機の風を当てる」など、環境側で手助けしてあげるとラクです。
万が一、うっすらカビのような点が出ても、無理はしないでください。体調や感じ方には個人差があります。
不安なまま使い続けるよりは、一度使用を控えてメーカーに確認するか、新しいものに変える判断も間違いではありません。
空蒸しのやり方は?15分の手間の正体
新品のせいろを買って最初にぶつかる壁が「空蒸し」です。「なんだか面倒そう…」と感じるのも無理はありません。
でも、これは一度だけの通過儀礼。ここでちゃんと整えておくと、その後の“強すぎる木の匂い”や“味の違和感”が減ります。
最初の15分は、これからの美味しい食事のための下準備と考えてみてください。
なぜ空蒸しが必要なのか
空蒸しの目的は、匂い・ほこり・素材のアクを落とし、せいろを“蒸すモード”に切り替えること。
乾いた木や竹にいきなり熱い料理を入れると、独特の強い香りが食材に移りやすいのです。そこで一度、蒸気を通し、道具をなじませてあげます。
ここでの「面倒」の正体は、作業の複雑さではなく「待ち時間」です。待つのが苦手な人ほど、空蒸しを嫌います。
でもこの時間は、他の家事とセットにすれば気になりません。空蒸しの15分で冷蔵庫を整理する、まな板を洗う、お米を研ぐ。
鍋から聞こえる「シュシュッ」という蒸気の音をBGMにすれば、意外とあっという間です。

空蒸しの基本手順(目安)
- 鍋にたっぷり水を入れて沸騰させる
- お湯が沸くのを待つ間に、せいろ全体をサッと濡らし、水気を軽く切る(乾いたままの急加熱を避けるため)
- 沸騰した鍋にせいろ(蓋も)を乗せて中火で約15分、シュシュッと蒸気が抜ける状態を保つ
- 終わったら布でサッと拭いて、風通しの良い日陰でしっかり乾かす
豆知識:匂いが強く残る場合は、同じ手順でもう一度空蒸しすると落ち着くことがあります。メーカーや素材で推奨が違うので、最終的には付属説明書も確認してください。
地味に大事なのが、鍋の水量です。水が少ないと途中で空焚きしないか不安になり、鍋底が気になるものです。
逆に多すぎると吹きこぼれが心配。初回はいつもより余裕を持って水を入れ、「湯切れしない安心感」を優先するのがおすすめです。
火力や鍋の形状によって蒸気の出方は変わります。安全のため、蒸気でやけどしない位置取りと換気を意識してください。
空蒸しを終えて、せいろから穏やかな木の香りがしてきたら、準備完了。ここが「快音のスタートライン」です。
空蒸しはすぐ使うならしないでいい?
「空蒸しなんて飛ばして、すぐ使っちゃダメ?」という気持ち、痛いほどわかります。
買ったその日にすぐ使いたいし、SNSで見た料理を今すぐ試したい。そんな気分のときに15分の儀式は邪魔ですよね。
私の経験から言うと「基本はスキップせず、最初の一回だけはやったほうがいい」です。理由はシンプルで、せいろの“初期のクセ”が料理に移ってしまうことがあるから。
ここで「なんか味が変…」となってしまうと、その味覚の違和感がずっと残り、せいろを使わなくなる原因になります。
とくに、白米や卵のような繊細な食材ほど、香りの影響を受けやすいのです。
とはいえ、忙しいのも事実。だから「やる・やらない」ではなく、「どうすればラクにできるか」で考えましょう。
たとえば、空蒸しが終わったら、お湯を捨てずにそのまま料理の蒸し作業に入る。せいろを濡らした流れで、そのまま空蒸しを始める。
こうやって動きを繋げれば、“面倒の上塗り”感は減ります。
どうしても今日使いたい場合は、空蒸しを「調理の一部」に組み込んでしまいましょう。最初の15分を“仕込みタイム”にして、野菜を切ったりタレを作ったりする。
蒸気の音をタイマー代わりに手を動かす。やってみると、ただ待っているだけの時間は案外短いものです。
最初は味が繊細な食材を避けて、肉まん・焼売・根菜あたりで試すと気持ちがラクですよ。多少香りが残っても、満足感が勝ちやすいです。
空蒸しの省略可否は、素材やメーカーの方針で変わります。正確な情報は製品の公式説明や取扱説明書をご確認ください。
ここで「完璧にやらなきゃ」と気負うほど、せいろは遠ざかっていきます。大事なのは、あなたの生活リズムに乗せること。空蒸しは、そのための最初のステップです。
「使わなくなった・いらない」の境界線は火加減にあり
せいろを使わなくなる本当の理由は、「味」よりも「運用」にあることが多いです。とくにストレスなのが火加減。
蒸している間、ずっとコンロの前に縛り付けられるような感覚はありませんか? 蒸気の音が気になって、テレビの音も入ってこない。
こういう小さな“生活の邪魔”が積み重なると、自然と手が伸びなくなります。
音が弱くなると不安だし、強すぎると水が減りすぎていないか心配になる。結果、キッチンから離れられず、気が休まらない。
この拘束感こそが、「もういらないかも」と思わせる最大の要因です。
ここで大事なのは、火加減を細かく調整することより、音が安定して鳴る状況を作ることです。水は余裕を持って入れる、途中で足すなら熱湯を使う、受け台を安定させる。
すると、蒸気が一定のリズムで鳴り続け、耳が安心します。耳が安心すれば、キッチンから少し離れても大丈夫。これが続けられるかどうかの分かれ目です。
せいろは「火加減を操る」より「蒸気を育てる」道具だと思ってください。
沸騰までは強火、シュンシュンと蒸気が乗ったら少し弱める。最初から弱火だと蒸気が立ち上がらず不安になりますし、強火すぎるとボコボコとうるさい。
だから、火加減の正解は数字や目盛りではなく、音で判断するのが一番確実です。

使い続けるコツ:火加減を「見張る」のではなく、蒸気の音を「確認する」へ。シュンシュンという音が続いているなら、それはうまくいっている合図です。
蒸気が漏れて「シュシュッ」という音が大きすぎるときは、鍋とせいろの隙間が合っていないことがあります。
受け台を直したり、サイズを見直すだけで音が静かになることも多いため、試してみてください。
もし今、「使わなくなった」と感じていても、それは失敗ではありません。生活が忙しいだけかもしれないし、今の道具との相性が合っていないだけかもしれません。
後半では、便利な家電や電子レンジ対応アイテムに頼るルートも紹介します。蒸し料理をやめてしまう前に、別の道も探ってみましょう。
「せいろはめんどくさい」を心地よい習慣へ

日々の手入れを楽にする工夫から、便利な技術を活用した選択肢まで、蒸し料理をストレスなく続けるための具体策をご紹介します。
自分に合った方法を取り入れることで、温かな蒸気に包まれる豊かな時間が、無理なく日常の一部になるはずです。
吊るし方と収納で出し入れの手間をゼロへ
せいろの収納は「片付ける」より「吊るす」が正解です。なぜなら、乾燥と収納場所の問題が一度に解決するから。
出し入れのときのガサゴソという不快な音が消え、使った後もそのまま乾かせる。この気持ちよさは格別です。
「片付けなきゃ」と気合を入れなくても、自然と手が動く。これが習慣化の入り口です。
「吊るす」と聞くと、おしゃれなキッチンを想像してハードルが高く感じるかもしれません。でも、狙いは見た目ではなく空気の通り道を作ること。
せいろが呼吸できる位置に置くだけで、カビの不安も出し入れのストレスも一気に減ります。
乾燥時間は天気や湿度に左右されますが、吊るして風を通しておけば、それだけで勝率はぐっと上がりますよ。

吊るし方の基本アイデア
- S字フックで取っ手や縁を引っ掛け、底が空気に触れるようにする
- 直射日光が当たらず、風が通る場所を選ぶ
- コンロ脇の油がはねる場所は避け、蒸気と油が混ざらないようにする
吊るして乾いたせいろを軽く触ると、「カサッ」という乾いた音がします。フックに戻すと小さく「コトッ」と収まる。
この二つが揃うと、道具が整った実感が湧きます。逆に、濡れたまま棚にしまうと、こもった湿気の匂いが残ってしまう。だから私は、断然「吊るす派」です。
定位置のコツ:せいろの隣に、受け台・鍋敷き・ミトンもまとめて吊るしておくと、準備が一瞬で終わります。
ただし、吊るす場所の耐荷重や、落ちてこないかどうかの安全面には十分配慮してください。不安がある場合は、メーカー推奨の取り付け方法に従ってください。
「見せる収納は苦手」という人もいるでしょう。でも、せいろは密閉を嫌う道具。隠せば隠すほどカビの不安が増えてしまいます。
吊るして、カサッと乾いた音が戻ってくる安心感を知ると、もう元には戻れません。ここが整うと、次の「洗い方」も驚くほど気楽になります。
洗い方はブラシとお湯だけで十分
洗い方の結論は、ブラシとお湯で“サッと終わらせる”こと。洗剤を泡立てて丁寧に洗おうとするほど、手間が増えて面倒になります。
それに、木や竹は香りを吸いやすいので、洗剤の匂いが残るとそれもまたノイズ(不快なシグナル)になります。
基本は、お湯とブラシで「シャッシャッ」と軽く流すだけで十分です。
私が好きなのは、使い終わってまだ温かいうちに、お湯で流しながらブラシで撫でるように洗うやり方。汚れが浮いているので簡単に落ちます。
ポイントは「力を入れない」こと。ゴシゴシこすると繊維が毛羽立って手触りが悪くなり、逆に汚れが詰まりやすくなります。
せいろは“削る”のではなく“流す”。ブラシは繊維の流れを整えるイメージで使うとうまくいきます。
また、心理的にラクになるのが「洗う前の汚れ対策」です。肉汁や油が直接せいろに染み込むと、「洗剤を使わなきゃダメかな?」と迷いが生じます。
この迷いがストレスです。だから、クッキングシートや葉物野菜を敷いて“汚れの入り口”を塞いでおく。
これだけで、洗う手間は劇的に減ります。洗い物を増やさず、料理も美味しくなる。せいろの良さを最大限に活かしましょう。
ブラシ洗いの目安
蒸し上がり直後に、食材カスだけ先に取り除く- お湯を当てながら、ブラシで目に沿ってシャッシャッとこする
- 水気を拭き、吊るして陰干しする
蓋はとくに乾きにくいので、洗った場合は立て掛けて風を通すのがコツです。編み目の内側に水滴が残ると、後から匂いが戻ることがあります。
注意:油汚れがひどい場合のみ、少量の中性洗剤が必要になることもあります。ただし素材に香りが残る可能性もあるので、不安な場合はメーカー公式の案内を確認してください。
それでも「衛生面が心配…」という人は、無理に気持ちを抑え込む必要はありません。道具は、気持ちよく使えてこそです。
もし不安が消えないなら、次の章で紹介する「食洗機OK」「電子レンジ対応」へ切り替えるのも賢い選択です。あなたの心の平穏を優先してください。
汚れを「落とす」より、そもそも「付けない」工夫も大切です。クッキングシートを上手に使うだけで、洗い物のハードルは一段下がります。
詳しいコツは、せいろのクッキングシート活用術(穴あけ不要)にまとめました。
オートクッカービストロで蒸すという選択肢
火加減の見張りがしんどいなら、思い切ってテクノロジーに頼るのも正解です。
私は“伝統か最新か”の二択ではなく、伝統の味を楽しむために最新技術を借りるのが、今の時代の賢い選択だと思っています。
せいろの良さは、蒸気と香りと食感。でも、そこに行き着くまでの「見張り」や「段取り」が重荷になるなら、そこだけ家電に任せてしまいましょう。
オートクッカービストロのような自動調理鍋の良いところは、「キッチンに縛られない静寂」が得られること。
鍋の前で耳を澄ませる必要も、タイマーを何度も確認する必要もありません。調理中に「今の音、大丈夫かな?」と気にしなくていい。
これは本当に大きいです。日々の料理は、味よりも“疲れないこと”が優先される日もあるでしょう。ここが整うと、自炊はもっと続きます。
ただし、「せいろを捨てて家電を買おう」と言いたいわけではありません。家電には家電の、置き場所やパーツ洗いといった別の手間があります。
動作音が気になる人もいれば、細かいパーツを洗うのが嫌いな人もいます。大事なのは、あなたが一番嫌っているノイズを減らせるかどうかです。
Z選び方の視点:せいろが嫌になった理由が「火加減の監視」なら家電の恩恵は絶大です。逆に「洗い物が増えるのが嫌」なら、家電選びは慎重に。
蒸し料理は「熱源の前に立つ時間」が長くなりがちです。ここを削れるだけで、料理へのハードルは下がりますよ。
オートクッカービストロの特長については、一次情報としてメーカー公式の説明を確認しておくと安心です。(出典:パナソニック公式「自動調理鍋 オートクッカー ビストロ NF-AC1000」) ![]()
一方で、家電は万能ではありません。サイズ感や置き場所、食洗機との相性を見誤ると、別のストレスが生まれてしまいます。
私はこれを「ノイズの引っ越し」と呼んでいます。消したつもりのストレスが、別の形で戻ってくる現象です。
補足:家電は「ラクになるか」よりも「不安が減るか」で選ぶと失敗しにくいでしょう。調理中のピリピリした監視感から解放されたいなら、検討の価値ありです。
オートクッカービストロの注意点(たとえば食洗機との相性など)も含めて整理した記事があるので、購入前に一度目を通しておくと安心です。
電子レンジ対応や食洗機OKのおすすめせいろ
どうしても「乾燥」「カビ」「洗剤不可」が気になるなら、電子レンジ対応のスチーマーや、食洗機OKの素材に逃げるのは全然アリです。
大事なのは、蒸し料理のある生活を続けること。変な根性論はいりません。
道具はあなたを助けるためにあるのであって、あなたが道具に合わせすぎて疲れてしまっては本末転倒です。
電子レンジ対応のメリットは、なんといっても時短です。お湯を沸かす音も、火の見張りもいりません。ピッという操作音だけで完了する手軽さは、忙しい日の救世主です。
一方で、レンジは加熱ムラが出やすく、仕上がりがブレることがあります。ここを許容できるかどうかがポイント。
逆に言えば、そのブレが嫌なら、せいろの「ふっくら安定した仕上がり」は大きな価値になります。
食洗機OKの蒸し器なら、衛生面の不安は激減します。「どう洗えばいいの?」という迷いが消えれば、使うハードルも下がります。
だから私は、せいろに憧れはあるけれど手入れが不安という人には、まず“食洗機OK側”で蒸し料理を日常にしてから、余裕ができたら木のせいろに挑戦する、というルートもおすすめしています。
選択肢は大きく3つ

電子レンジ対応の蒸し器:時短が最優先。加熱ムラは容器の選び方や置き方でカバー- 食洗機OKの蒸し器:洗い物のストレスを最小限に。衛生面の不安も解消
- 伝統せいろ+工夫:クッキングシートや吊るし乾燥で、手入れの手間を減らす
※下の表は、あくまで一般的な傾向です。機種・容量・使い方・置き場所の環境で体感は変わります。
|
判断軸 |
電子レンジ対応 |
食洗機OK素材 |
竹・木のせいろ |
|---|---|---|---|
|
手間 |
最小 |
小 |
工夫次第 |
|
仕上がり |
ムラが出ることも |
安定しやすい |
ふっくらしやすい |
|
衛生の安心 |
扱いやすい |
迷いが少ない |
乾燥管理が鍵 |
|
向いている人 |
とにかく時短したい |
洗い物が苦手 |
香りと食感が好き |
注意:電子レンジ対応・食洗機OKの範囲は製品ごとに異なります。正確な情報は公式サイトや取扱説明書をご確認ください。
不安が強い場合は、購入前に販売元へ問い合わせるなど、最終的な判断はご自身で行ってください。
ここでの“おすすめ”は、単にランキング上位の商品ということではありません。あなたの生活のノイズが減るものこそが、あなたにとってのベストです。
「せいろに憧れる気持ち」も大切にしつつ、まずは「続けられる形」を選んでみてください。蒸し料理が続けば、食卓は豊かになります。
めんどくさいの先にある至福の蒸気

ノイズを消した先には、確かなご褒美が待っています。お湯が沸いて、せいろからシュンシュンと蒸気が立ち上がる音。蓋を開けた瞬間に、ふわっと広がる木の香り。
余分な水分を吸ってくれるから、食材が水っぽくならず、ふっくらと仕上がる。この感動は、電子レンジでは味わえないものです。
せいろの価値は「料理が美味しくなる」こと以上に、「台所の空気が整う」ことにあると思っています。
蒸している間はフライパンのように油がはねないし、焦げ臭い匂いもしない。音も匂いも穏やかです。
だから、蒸している時間はまるで“休憩”のように感じられます。キッチンに立っているのに、心が忙しくない。この感覚が、日々の暮らしを少しだけ変えてくれます。
さらに言えば、せいろは「料理の手間」さえも手放させてくれます。味が濃くて美味しい野菜があれば、ただ切って蒸すだけで、調味料すら要らないご馳走になるからです。
泥付きのまま届くような力強い野菜を、せいろに放り込む。あとは蒸気にお任せ。「献立を考えるのが面倒」「味付けに失敗したくない」というノイズからも解放される。
これも、私がせいろを使い続ける大きな理由です。
私が愛用している、蒸すだけでご馳走になる野菜セットは以下で紹介しています。
\ 旬の野菜が届くおためしセット /
「塩だけで美味しい」を体験する
そして、洗って吊るしたせいろが、翌日にカサッと乾いた手触りで戻っているとき。「ああ、これなら続けられるな」と実感できるはずです。
「せいろはめんどくさい」と感じたあなたの感覚は間違っていません。
その違和感(羅針盤)を信じて、ノイズを減らす仕組みを作れば、せいろはきっとあなたの暮らしになじんでくれるはずです。
最後に。健康や衛生に対する感じ方は人それぞれです。少しでも不安が残る場合は無理に使い続けず、メーカーの公式案内を確認してください。
今日からの一歩:せいろを吊るす場所を決める。ブラシを一つ用意する。空蒸しは一回だけ通す。これだけで、面倒の多くは消えます。
せいろ選びで後悔してほしくないから、失敗から学んだ「21cmが正解」の理由と、長く愛用するコツをすべてまとめました!

